シンガポールメディアの聯合早報は17日、中国によるレアアースの輸出規制を巡り、「規制によってもたらされる恐れのある操業停止に欧州企業が備えている」と報じた。
記事によると、中国欧州連合(EU)商会は16日、「EUと中国は7月にレアアースの対EU輸出を加速することで合意したが、中国の厳格な輸出規制が続いているため、欧州企業は操業停止と損失を予測している」と表明した。
記事は、「中国は米国のトランプ大統領による関税措置の発表後、一部のレアアースおよびレアアース磁石の輸出規制を実施し、欧州や他の地域の自動車メーカーに生産の遅れや大規模な操業停止が生じた」と言及。また、「半導体メーカーも中国に措置の緩和を求めた」とし、中国は世界のレアアースの大部分を精製・加工しており、これらは自動車生産や国防産業などに広く使われていると説明した。
EUのフォンデアライエン欧州委員長が7月に中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談した際、中国は欧州企業向けに重要原材料の輸出許可を加速することに同意したが、2カ月しかたっていない中で許可の審査・承認はすでに減速し始めているという。
中国EU商会によると、会員企業からの苦情や支援要請は増え続けているといい、記事は同商会のイェンス・エスケルンド代表が「公平に言って、首脳会談以降、われわれは実質的な変化をまだ見ていないと考える」と述べたことを伝えた。(翻訳・編集/野谷)