2025年9月18日、台湾メディアの琅琅悦読は台湾の「純喫茶」のアニメCMが「京都アニものづくりAWARD」にノミネートされたと報じた。

記事はまず、「『京都アニものづくりAWARD 2025』の受賞者が20日に発表される。

台湾のティーブランド『純喫茶』のCMがアニメーションCM部門とオリジナルコンテンツ部門にノミネートされ、日本の著名なアニメ制作者らと賞を争うことになった」と述べた。

続けて、『京都アニものづくりAWARD』は17年に創設され、今回で8回目を迎える。アニメの普及とともに、商業ブランドがアニメ業界と連携してクリエーティブなコラボレーションやプロモーションを行うことはアニメ業界に新たなビジネスチャンスを生むだけでなく、企業にとっても新市場や新商品の開拓に役立つとして一般的になっている。そして、その異業種間のコンテンツ共創を促進するために設けられたのが本賞だ」と説明した。

また、「選考委員には日本のアニメ、出版、映像、メディア業界から重鎮が集結しているほか、出版グループ社長、ACG分野のベテラン編集者や評論家、アニメ制作のプロデューサー、アニメ制作会社の責任者、大型アニメイベントのキュレーターらが名を連ねている。また、学界や企業、クロスボーダーマーケティングの専門家も参加していることから、創意性や技術品質、文化的影響力といった観点から多角的に審査が行われ、入選作と受賞作のすべてが高度な革新性と国際競争力を備えることが保証されている」とした。

そして、「『純喫茶』シリーズのアニメCMは台湾のアニメチーム、アニメ監督、音響監督、著名な声優らを招き、3カ月かけて手描きで制作した3本の短編アニメ作品だ。台湾の西門町などの風景を背景美術に取り込み、作中には台湾ならではの生活小物も小ネタとして登場している。こうした台湾特有の文化を丁寧に落とし込み、観賞の楽しさを増す表現方法は、他の国や地域のアニメではなかなかまねできない台湾のCMならではの魅力だ」と評した。

記事は、「同CMは少年少女を主人公に青春の爽やかさを前面に打ち出した演出で台湾の手揺(ドリンクスタンド)文化を巧みに表現した。手揺ドリンクは台湾で年間販売数10億杯以上、1人当たり年40杯以上を消費するといわれるが、価格上昇で消費者が尻込みする傾向もある。そこで同CMは『並ばない、高くない、失敗しない』の三大訴求を打ち出し、消費者の不満を見事に解決した」と分析した。

すると、「同CMの公開後、視聴者から『早く続編を出して。主人公カップルの展開が見たい』『手揺ドリンクもおいしいけど、毎日飲むならやっぱり純喫茶を選ぶ』『1本たったの25台湾ドル(約120円)。まとめ買いで応援する』といった声が寄せられ、大きな話題となった。また、多くのネットユーザーは『純喫茶』こそ手揺ドリンクの手頃な代替選択だと認識している。物価高騰や限られた予算の中でも、消費者は実際に商品購入することで、この斬新なブランドの取り組みを支持しているのだ」と論じた。

さらに、「同CMはアニメ広告制作に強みを持つ朱沛寰(ジュウ・ペイホワン)氏がプロデューサーを務め、魏子彬(ウェイ・ズービン)氏が監督を担当。制作チームは『キャラクターアニメーション』と『背景美術』に分かれて作業が進められ、キャラクターアニメーションは台湾の『美少女動画工房』から、日本のアニメ制作にも関わった経験豊富なメンバーが参加した。背景美術は日本の専門美術会社で訓練を受けたメンバーが手がけ、緻密で重層的な画面を作り出し、『純喫茶』ならではの世界観を構築した」と言及した。

そして、「音響演出にはベテラン声優の馮友薇(フォン・ヨウウェイ)氏が音響監督として参加し、多彩な演技でキャラクターに奥行きを与えた。また、男性声優の于正昇(ユー・ジョンション)氏が重厚な声と幅広い演技でファンを魅了し、女性声優の許淑嬪(シュー・シュウピン)氏が温かみと活力を吹き込み、作品に生命力を加えた。3人の実力派声優の共演により、キャラクターに生命力が加わるだけでなく、アニメの物語表現と感情伝達が強化され、視聴者に印象を残す仕上がりとなった」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

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