中国・遼寧省大連市でシカが2日続けて観光客を襲い、負傷者が病院に搬送された。中国メディアの極目新聞が21日に報じた。
記事によると、2件の事故があったのは大連森林動物園。17日には男性観光客が野生のシカに襲われ病院に搬送され、18日には北京から遊びに来ていた女性観光客が同じく野生のシカに体当たりされて転倒し、頭部を負傷して病院で縫合を受けた。
男性が襲われたのを目撃した李(リー)さんによると、男性は当時女性と一緒にいたところをシカに角で突かれ、路上に倒れた。周囲には他の観光客も集まっていた。1時間ほどたってから再び通りかかった際も男性はまだ倒れたままだったといい、動物園のスタッフが周囲の交通整理を行っていたという。男性はその後、救急車で病院に運ばれたという。

18日に襲われた女性は「蓮花山展望台へ向かう途中にシカのそばを通った。最初はそのシカは横たわっていて、私は前方の彼氏の元へ向かおうとしていたところ、突然シカが起き上がって突進してきた」と説明。女性は転倒した際に頭を打ち、病院に運ばれた。頭の傷口を数針縫ったほか、左脚にも打撲を負った。女性は「野生のシカなので動物園に賠償を求めることはできないようだ」と話している。
また、原因について「ネット上では私がシカを怒らせたと言われているけどそんなことはしてない。
動物園の職員によると、今回の事故を引き起こしたシカはいずれも野生のため動物園の管理下にはないといい「野生のシカに遭遇した場合は近づかず、安全に十分注意してほしい」と呼び掛けた。
中国のネットユーザーからは「野生動物にはやはり畏敬の念を持っていないといけない。互いに尊重し合わねば」「大騒ぎして写真撮ったりするなよ」「野生動物が人を攻撃するのは普通のこと」「9月は雄鹿の発情期だからな」「野生動物の前に出ていったくせに賠償を欲しがるとはな。われわれ大連人は常に距離を取って生活している」「以前、小ジカにけがをさせた出来事があっただろう。シカたちは人類に怒っていて報復しているんだ」との声がある一方、「畜生はしょせん畜生」「被害が拡大しているなら管理を強化すべき」と主張する声もあった。(翻訳・編集/北田)