2025年9月25日、韓国・イーデイリーは第80回国連総会に出席している李在明(イ・ジェミョン)大統領が米国からの3500億ドル(約51兆7400億円)の対米投資要求に難色を示したと伝えた。

第80回国連総会に出席している李大統領は、米国からの3500億ドルの対米投資ファンド調整要求について、そのまま受け入れることはできないとの姿勢を明らかにした。

24日にはスコット・ベッセント米財務長官と接見し、米国が要求する通り3500億ドルの直接投資を断行する場合、韓国経済が混乱に陥る可能性があると訴えた。

これに先立ち、参考事例として取り上げられた日米交渉で日本は5500億ドル(約81兆9000億円)の対米投資協定を締結した。日本は自動車など対米輸出品の関税を15%に下げる利益を得たが、これでは協定構造は不均衡だという批判の声も大きい。日本が莫大(ばくだい)な資本を出しているにもかかわらず、投資決定権はなく、投資の危険性だけ享受する構造となっているためだ。

投資先の決定は、全面的にドナルド・トランプ米大統領にかかっており、投資委員会も米国側の関係者だけで構成されているため、日本は事実上拒否権を持たない。利益配分も、表面的には半々だが、一定期間後には米国の持分が90%に拡大される予定であり、 実際、この合意どおりに進められるかどうかは未知数だが、日本政府が大きな負担を抱える構造になっている。

記事は、「韓国が3500億ドルを米国に投資する場合、韓国経済はさらに大きな負担を抱えることになる」と指摘。「この3500億ドルという数字は2024年の韓国GDPの19%、2025年予算の72%、外貨保有高の85%に当たる。米国の要求をそのまま受け入れることになれば、莫大なウォン売りが発生し、ウォンの価値は急落、為替ショックは必然的なものになる」と述べた。

また、「3500億ドル規模の投資には、国会の同意が必要となり、韓国政界から強力な反発が起きるものと予想される。日本にはGDPとある程度の外貨準備高という『緩衝装置』があったが、韓国はそれも有していない」と続けた。

さらに、「一部で、日本も米国の要求をそのまま受け入れることはないだろうとの声も出ているが、日本と違って外貨保有力の低い韓国では『サインした』という事実だけでも金融市場に衝撃を与えかねない」と言及し、「交渉過程でサインすること自体が、すなわちリスクとして作用する可能性があるという点を警戒したものと見られる」と分析した。

これについて韓国のネットユーザーからは「国家債務や企業債務を抱える、超少子高齢社会の韓国が3500億ドルもどうやって支払うのか」「大統領は自分が交渉が下手なことを米国に責任転嫁している」などの声が上がっている。(翻訳・編集/樋口)

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