天津市で9月24日から26日までの3日間にわたり開催された第27回中国アイスクリーム・冷凍食品産業博覧会には、有名企業500社以上、海外から来た貿易業者2000人以上が参加した。海外から来た貿易業者の人数は昨年の2倍となった。

これは中国のアイスクリーム産業の繁栄に注目する海外の貿易業者が増えていることを示している。新華社が伝えた。

ここ数十年、中国のアイスクリームは初期のミルク、フルーツ、食糧などをメインの原料とした夏の暑さを和らげてくれる手軽な菓子から、多種多様でユニークな新商品が続々と登場するようになり、原料も多様化するファッショナブルな菓子へと発展している。中国の調査会社の「艾媒諮詢(iiMediaresearch)」のデータによると、中国の2024年のアイスクリーム市場規模は1835億元(約3兆8500億円)に達し、2030年には2334億元(約4兆9000億円)に達すると見込まれている。

アイスクリーム市場では近年、中国の伝統要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド「国潮」がトレンドとなり、中華文化の要素を取り入れた商品が海外の消費者の間でも人気となっている。博覧会の会場では、さまざまな国から来た貿易業者が文化的特色あふれるアイスクリームに興味津々になっていた。

繁栄する中国のアイスクリーム産業が世界の貿易業者に商機を提供

瀋陽故宮の複数のデザインの文化クリエーティブアイスを米国に輸出している徳氏集団の孟傑マーケティング・ディレクターは、「今年新たに打ち出した乾隆帝が使っていた大吉の文字が入ったひょうたん型の瓶『清粉彩大吉葫蘆壁瓶』をモチーフにしたアイスクリームは米国で売り上げが好調だ。消費者の心をつかんでいるのはその奥深い文化だ」と語る。

中国の巨大なアイスクリーム市場に外資系ブランドが続々と参入している。中国に進出している外資系アイスクリームブランドにはウォールズやネスレ、ハーゲンダッツ、マース、明治などがある。また、世界の食品原料サプライヤーに大きな商機をもたらしており、産業チェーンの国際協力とウィンウィンを促進している。

中国のアイスクリーム企業は東南アジアのカカオやインドネシアとパキスタンのグアーガム、ニュージーランドとオーストラリアの粉ミルクといった世界各地の高品質の原料を幅広く採用している。

税関のデータによると、中国の24年のカカオの輸入額は前年比29.30%増の13億3600万元(約280億5600万円)に達した。
繁栄する中国のアイスクリーム産業が世界の貿易業者に商機を提供

博覧会の組織委員会の張小弘(ジャン・シャオホン)会長は、「中国のアイスクリーム工場とそのビジネススタイルは海外において、ブランディング効果を発揮しており、市場において大きな成果を収めている」と説明する。

インドネシアは赤道直下の熱帯地域に位置し、非常に暑く蒸し暑いため、アイスクリームやスイーツのニーズが非常に高く、アイスクリーム市場も大きい。多くのブランドの中でも、中国のアイスクリームブランドの人気は高い。中国の伊利集団はインドネシアやタイに、ローカライズされた工場を建設している。また、蒙牛傘下のブランド・艾雪は東南アジアに工場が4カ所あり、1日当たりアイスクリーム約1000万本を生産している。

さらに多くの発展途上国のアイスクリーム市場は急速に拡大しており、工場を建設して、生産能力を増強し、コールドチェーンをレイアウトしているのを背景に、アイスクリーム関連の設備のニーズも急速に高まっている。張会長は、「中国のアイスクリーム関連の設備は設備や自動化、スマート化生産ラインまで全面的にカバーしており、技術や品質、関連措置、オーダメイド、納品といった面で強みを誇る」とした。

中国の調査会社・中研普華産業研究院の報告によると、中国のアイスクリーム設備の東南アジア市場におけるシェアは40%にまで高まっている。

無錫市丹霄機械の国際市場部の戴艶妮(ダイ・イエンニー)経理によると、海外のクライアントはパッケージ、原料調合、部品を含むソリューション全体を好む傾向がある。同社はクライアントのニーズに合わせて、中国国内の高品質の設備を集約し、生産ラインを構築し、代理業者を対象にトレーニングも実施して、ローカライズされた設備の安全性と技術関連の支援を提供している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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