国慶節(建国記念日、10月1日)と中秋節(旧暦8月15日、今年は10月6日)に合わせて10月1日から8日までが8連休となる中国で、一部の旅行者はここ数日、すでに一足早く旅行先に向かっている。

中国では近年、「情緒的価値」が旅行者が旅行先を選ぶ際の一番重要な要素となっている。

そして、多くの人が、人気観光スポットを巡って観光するスタイルから、没入型バケーションへとシフトするようになっており、8連休中もそのような特徴が鮮明になるとみられている。

旅行サイトを見ると、新疆ウイグル自治区やチベット自治区、内モンゴル自治区などのホテルの検索数が前年同期比60%増となっている。検索者の多くが一線都市や新一線都市の住民だ。広大な草原やこうしたエリアならではの景色が心を癒してくれるシーンを作り出し、都市で仕事に追われ、クタクタになっている人々の「何もかも忘れて、大自然の中で思いっきりリラックスしたい」というニーズを満たしてくれる。

旅行者の「情緒的価値」に対する注目は旅行商品のチョイスにも反映されており、シーン、文化、体験の三要素が一体となった商品が人気となっている。

国内旅行の旅行先を見ると、「ホテルのベッドで寝転んだまま朝日を浴びた山頂が黄金色に輝く『日照金山』を見る」「露天風呂で星空観賞」「森の中のコテージでレッサーパンダと遊ぶ」といった特色ある体験の検索数が大幅に増加している。また、寺院で禅体験、無形文化遺産の手作り体験、地方文化工房といったアクティビティーも人気で、それを通して心を癒したいと考えている人がたくさんいることが分かる。

ビザ免除措置が追い風、アウト・インバウンドが人気に

出入国(境)旅行を見ると、8連休中は日本やタイ、香港に向かう短距離旅行が依然として主流となっている。また、マレーシアやシンガポールが人気旅行先トップ5に入り、東南アジア人気が特に際立つようになっている。

さらに、ウズベキスタンやジョージア、カザフスタンといった「一帯一路」共同建設参加国が、中国からドライブ旅行を楽しむために向かう人気旅行先となっており、旅行サイト・携程網ではこれらの旅行先のレンタカー予約数がそれぞれ3倍、2倍、10倍となっている。

その他、8連休前後も休みを取ることで、さらに長い連休にした多くの旅行者はその視線をより遠くのアフリカに向けている。ケニアやタンザニアの予約数は前年同期比で130%増に達した。

8連休中、インバウンド観光も活況を呈しそうで、韓国や日本、タイ、マレーシア、シンガポール、英国、インドネシア、米国、ロシア、オーストラリアからたくさんの観光客が中国を訪れるとみられている。中でも上海や北京、広州、深セン、成都、重慶の入国者が特に多くなるとみられている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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