2025年10月1日、香港メディア・香港01は、EUによる追加関税にもかかわらず、中国メーカー製自動車の欧州での販売台数が急増していると報じた。

記事は、8月の欧州における中国系自動車販売台数が前年同期比2.2倍となる4万3500台を記録、市場シェアが5.4%に上昇したほか、1~8月の累計販売も同74%増の43万台に達したと紹介。

8月の欧州における中国ブランド販売トップ5は上汽MG、BYD、Jaecoo、Omoda、零跑で、特にBYDは同3.3倍の1万498台と大きく成長したことを伝えた。

その上で、EUは昨年10月末から5年間にわたり中国製電気自動車(EV)に最大35.3%の補助金相殺関税を課していることに言及し、今年の中国系自動車の好調は、昨年に関税発動前の駆け込みで輸入した自動車が今年に入って登録されているケースが多いことも関係しているとの見方を示した。

また、8月に販売された中国系自動車を動力別で見ると、プラグインハイブリッド車(PHEV)の割合が急上昇して前年同時期の4%から25%に達し、ハイブリッド車(HEV)も12%から17%にまで拡大した一方で、純EVは販売台数が増えたものの割合は44%から35%まで低下、ガソリン車は35%から21%にまで縮小したと紹介した。

そして、PHEVとHEVの割合が急増した理由としてEUによる中国製EVへの追加関税の影響を挙げ、中国メーカーが生産体制をハイブリッド系にシフトしたことの表れだと解説している。

記事は、米調査会社エスカレントの「中国自動車ブランド影響力」調査によると、欧州の消費者で47%が中国車購入を検討していると回答し、米国車の購入を検討している人の44%を上回ったと紹介。昨年の調査では中国車が31%、米国車が51%となっており、1年で状況が逆転したことを伝え、同社のアナリストが関税や米国の対ロ姿勢など地政学的要因によって米国車の人気が低下する中で、「安い上に性能が優れている」中国車に対する信頼が高まっているとの見方を示したと報じた。(編集・翻訳/川尻)

編集部おすすめ