中国では最近になり、ネット通販サイトに旧日本軍の731部隊の実験室を模した玩具が出品されていることが物議を醸した。中国人民解放軍は2日、SNSを通じて同玩具を批判した。
731部隊は旧日本陸軍の関東軍が管轄した部隊で、正式名称は「関東軍防疫給水部本部」だったが、実際には捕虜や拘束した中国の民間人などを使って細菌戦の研究や人体実験を繰り返していたことで知られる。中国では、旧日本軍の暴虐さや非人道性を象徴する存在として広く知られている。
中国人民解放軍は2日、SNSの公式アカウントを通して、731部隊の実験室を模した玩具を批判する文章を発表した。
文章は、「最近になり、ある通販サイトに出品された『731毒ガス実験室知育組み立てブロック』という名の商品が物議を醸している。周知のように、731部隊は第2次世界大戦期に日本軍国主義が犯した反人類の罪の象徴であり、その歴史は(中国)国民の心の中に深い痛みとして刻まれている。我々は、玩具という媒体が多様なテーマを担うことができることを理解するが、いかなる創意工夫も人間性の最低線と、歴史観の超えてなならない一線を厳守せねばならない」などと論評した。
文章は、「通販サイトと監督当局が内容審査を強化し、歴史の厳粛さを共に守ることを期待する」とも表明した。

北京晩報によれば、3日午後3時時点で、あるネット通販サイトで関連する玩具が依然として販売されていることが確認できた。玩具の包装箱には「歴史を記憶する」「愛国教育感情の啓蒙」「軍事テーマの歴史再現」などと書かれていた。
出品者による玩具の対象年齢は13歳であり、販売価格は29.9元(約620円)だった。
観察者によると、同商品の販売状況を確認するために、3日午後4時に通販サイトでサイト内検索をしたところ、「商品は期限切れのため存在しない」と表示されたという。(翻訳・編集/如月隼人)