2025年10月14日、韓国・ソウル経済は、中国人観光客の急増とそれに伴う反中感情の高まりを背景に、韓国を訪れる一部の台湾人観光客の間で「私は台湾人です」と書かれたバッジを着用すべきかというソーシャルメディア(SNS)上の投稿が注目を集めていると伝えた。
韓国法務部によると、9月に韓国を訪れた中国人は52万5396人で、前年同月(45万1496人)より16.4%増加した。
こうした中、一部の保守系団体を中心に「反中デモ」の動きが強まっている。今月10日にはソウル・明洞(ミョンドン)の中国大使館近くで、約250人が「反国家勢力を排除せよ」「チャイナ・アウト」などのスローガンを掲げて行進。警察が「特定国家への嫌悪発言をやめるように」と警告すると、「警察は私たちを守らないのか」と反発する場面もあった。
記事は「このような雰囲気に、台湾からの観光客の不安は高まっている」とし、「(台湾の)SNS上では『韓国では中国人への反感が強いが、このバッジをつけた方がいい?』という投稿とともに、『私は台湾人です』とハングルで書かれたバッジの写真が拡散された」と伝えた。

バッジには、台湾の旗(青天白日満地紅旗)と「I'm from Taiwan」との文字も入っており、一部の台湾ユーザーからは「日本でもコロナの時に似たことがあり、台湾の旗のバッジを付けていた」「韓国でこのバッジをつけたら店員の態度が明らかに柔らかくなった」との体験談が寄せられたという。
これについて韓国のネットユーザーからは、「理解できる」「必要だと思う」「分かりやすくていい」「台湾の人が怖がるのは悲しい」「韓国に来たら歓迎したい」などの声が上がっている。
一方で、「極右の反中デモのせいだろう。恥ずかしい」「こんなことをしなくてはいけない状況は異常」「世界で韓国人がやられてきたことを、なぜ繰り返すのか」「韓国人でも迷惑な人は多い。中国に悪口を言う資格があるのか」など、反中感情の高まりに対して批判的な声も見られた。(翻訳・編集/樋口)