中国政府はこのほど、「スマートコネクテッド新エネルギー自動車のリコール、製造一貫性の監督管理および宣伝規範を強化する通知(意見募集稿)」を発表した。この募集稿では、企業が消費者に対してスマートコネクテッド新エネルギー車の自動運転レベルやシステム能力などを説明する際、虚偽または誇張、誤解を招くような宣伝をしてはならないと明記された。
自動的な車間追従、車線変更、駐車支援――運転の効率や快適性を高める先進運転支援システム(ADAS)は現在、多くの自動車、特に新エネルギー車における標準装備となっている。この技術イノベーションの重要な成果は、自動車産業の新たな成長分野を開拓した。しかし一部のメーカーはマーケティングの際に機能を誇張し、消費者の中には「ハンドルもアクセルも離せる」「横になって眠れる」と誤解する人も現れており、交通安全上のリスクをもたらしている。こうした状況に対し、監督管理の強化は、メーカーに製品品質の向上を促すと同時に、ドライバーに自動運転技術を正しく理解させ、安全事故の防止にもつながる。
安全は常に自動車産業発展の生命線だ。中国では、電気自動車用バッテリーの新国家規格を策定し、「発火しない・爆発しない」水準への引き上げを求めているほか、自動車のドアハンドルの安全技術規格の策定を進め、また企業がオンラインのリモートアップデートで欠陥を隠すことを禁止するなど、関係当局が次々と安全対策を打ち出している。こうした取り組みは、業界発展の「安全弁」を締め、「安全ベルト」をしっかり固定するものだ。企業にとって、安全最優先の理念を研究開発から販売・広報まで全工程に貫き、技術の進歩を実際に人々の利益へとつなげてこそ、激しい市場競争の中で信頼と支持を得られる。

一方で、自動運転技術が発展途上にある中、「監督管理が厳しすぎればイノベーションの芽を摘むのでは」と懸念する声もある。だが、問題は「厳しさ」そのものではなく、法に基づいた適切な監督管理によって、安全確保と技術イノベーションのバランスをどう取るかにある。例えば「北京市自動運転自動車条例」では、自動運転車を「個人用乗用車の移動」などの場面で活用することを支援するとともに、運用・ネットワーク・データなどの安全確保要件を定めている。現在、北京市のハイレベル自動運転モデルエリアは60平方キロメートルから600平方キロメートルへと拡大し、1000台以上にテストナンバープレートを交付しており、累計走行試験距離は3800万キロメートルを超えている。
スマート運転は自動車産業発展の重要な方向性だが、技術の成熟には長期にわたる試験と訓練が不可欠だ。中国各地の実践から見ても、改革の手法、法治の考え方、実証的な方法を組み合わせ、研究機関や企業が短期的利益と長期的発展、技術イノベーションと安全確保の両立を図ることでこそ、新エネルギー車産業を「活力に満ち、かつ秩序ある」健全な成長へ導くことができる。(提供/人民網日本語版・編集/YF)