サッカーのキリンチャレンジカップ2025で日本がブラジルに勝利を収めたことについて、中国の著名なサッカー評論家の董路(ドン・ルー)氏の投稿が反響を呼んでいる。

14日に東京スタジアムで行われた試合は、前半にブラジルが2点をリードするも、後半に日本が南野拓実、中村敬斗、上田綺世のゴールで逆転。

14回目の対戦にしてブラジルから歴史的初勝利を挙げた。この結果は中国でも大きな注目を集めた。

董氏は試合後、中国のSNS・微博(ウェイボー)に「多くの人は日本がブラジルに勝ったということだけを知っていて、どうやって勝ったのかは知らない」と言及。「この試合で日本が5-4-1の守備的カウンター陣形を採用したのを知っているか?この試合で日本のボール支配率がわずか33%(データによっては38%とも)だったのを知っているか?この試合で日本のパス本数がブラジルより400本も少なかったのを知っているか?」と問い掛けた。

その上で、「伝統的にポゼッション(ボール保持)を重視してきた『日本サッカー』はすでに行き詰まっており、だからこそ日本は再生を図るために戦い方を変えた」と主張。「過去2年間、日本は高いボール支配率を記録しながらも、イラン、イラク、オーストラリアに次々と敗れた。日本人は彼らが数十年に渡って貫いてきたサッカースタイルが、すでに行き詰まりを迎えたことを理解したのだ」とつづった。

これに、中国のサッカーファンからは以下のようなコメントが寄せられている。

「分かっている人はとっくに分かってる。分からない人は見ても分からないよ」

「ほとんどの人は日本が勝ったという結果だけ見てコメント欄を開き、中国代表を罵倒するだけだからな」

「伝統的な日本サッカーのスタイルは行き詰ったが、日本サッカー自体は行き詰っていないと、こういうことだろう?日本サッカーは常に進化し続けている」

「ポゼッションを捨てたというか、相手によって戦い方を変えているだけでしょ」

「後半だけなら、日本もだいぶポゼッションしてたと思うけど?」

「試合の立ち上がりを見れば、日本はブラジルと正面から渡り合おうとしていたのは明らか。ポゼッションを奪い合い、パスワークで試合を掌握しようとした。でもブラジルの方が一枚上手でどうしても奪い切れず、ブラジルの流れになった(後半は戦い方を変えて異なる展開になった)」

「現代サッカーにおいては守備の要求が高い。

弱いチームにとっては守備から攻撃への切り替えが永遠のテーマ。5-4-1の守備から高速カウンターが王道」

「日本の高効率のカウンターは成熟したパスの技術があってこそ。パスワークはすべての戦術の基礎。ポゼッションしなくてもいいが必要な時にはそれができるということ」

「中国代表が5-4-1をやるのは無理。そもそも理解できていない。いかなる戦術も、選手個人の能力と脳力が合致していることが前提。現状、5-4-1が一番点を取られないフォーメーションというだけ」

「日本相手に緩めたらやられる。日本の決定力は高い。ブラジルは後半、勝ったと思って相手を甘く見て、選手もコーチ陣も気を緩めた。一方、日本は全体にスピードを上げ、ブラジルはすぐには対応しきれなかった。(ブラジルの)1失点目は日本がプレスのスピードを上げて(ディフェンダーが)慌てたことによってチャンスが生まれ、それを日本がものにした」(翻訳・編集/北田)

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