2025年10月20日、台湾メディア・自由時報は、台湾の有名な観光地・墾土をめぐってネット上で「日本に行ったほうがマシ」との声が出ていることについて、地元の行政や観光業者が反論したと報じた。

記事は、台湾南部・屏東県の観光地、墾丁について近ごろインターネット上で「会社の予算が足りないので墾丁旅行の代わりに日本へ行く」といった投稿が拡散していると紹介。

ネット上では現在「国内旅行は高すぎて海外の方が安い」という風潮が渦巻いていると伝えた。

その上で、屏東県民宿協会の余松華(ユー・ソンホア)理事長が、毎年大型連休の前になると特定観光地をおとしめて国外旅行を持ち上げるような投稿が増えると指摘し、「商業的な意図をもって『国内旅行は高い』『海外が得』といううそのトレンドを生み出し、世論を操作している」と批判したことを紹介した。

余氏はまた、「旅の本質は文化の違いを体験することにあり、国内外のすべての土地にはそれぞれの物語がある」と語り、「地元の観光に携わる関係者が長年築いてきた信頼と努力をこうした悪意ある情報操作が傷つけている」と訴えた。

さらに、屏東県政府も余氏に同調し「SNS上の偏った情報拡散が地域経済へ悪影響を及ぼしかねない」と警戒感を示した。物価上昇や景気の低迷で国内旅行需要が落ち込む中、根拠の乏しい投稿が「国内旅行離れ」を加速させることを懸念する声が強く、県関係者は「批判のための批判ではなく、実際のサービス改善や旅行者との対話に目を向けてほしい」と呼び掛けたという。(編集・翻訳/川尻)

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