ここ数日、湖南省長沙市天心区のあるファッションブランド店には、バーチャル試着を体験しようと多くの消費者が列をなしている。中国新聞網が伝えた。
同店の店長・肖芳氏は、「バーチャル試着ミラーは、顧客の体型をすばやく識別・スキャンし、髪型やメイクを自動調整してくれる。わずか1分間で十数着の服を試せるので、簡単にさまざまなスタイルを体験できる。5GとVR/AR技術を活用したこのシステムは、購入者の3D体型と衣服の適合度を自動分析でき、将来的には消費者が来店しなくても、遠隔でリアルタイム試着し、衣服の質感を確認してぴったりのサイズを購入できるようになる」と説明。
急成長するデジタル経済の波の中で、湖南省ではバーチャル試着、AIメイク、AIスカーフのカスタムデザイン、鍼灸ロボット、ロボットバンドなど、新たなデジタル消費形態が次々と登場し、地域経済の新たな成長源となっている。
湖南省のあるロボット技術企業が開発した人型ロボットバンドは、AIビジョンで楽譜を識別して演奏でき、ギターロボットはソロ演奏も可能だ。都市の祭典、文化フェス、新入生歓迎会などでのレンタル需要も高いという。
同社の会長・肖湘江氏は、「一部の博物館や科学館でもこのバンドを導入し、通年公演を行っている。湖南で急速に発展するAI技術は、今後、観光・エンタメ、教育サービス、公共文化などの分野でロボットの本格的な活用を推進していくだろう」と語る。
デジタル消費は、新しい消費形態の重要な一部を成しており、デジタル製品、デジタルサービス、デジタルコンテンツ消費、さらにはデジタルチャネルを通じた購買活動を含む。さらに取材では、湖南のデジタル消費は文化観光、交通、介護、先端テクノロジー製品など多様な領域へ広がっていることが分かった。
湖南祁陽の摩崖石刻デジタル博物館では、唐代の詩人・元結がデジタルヒューマンの姿で来館者と対話し、仮想彫刻やデジタル碑拓体験もできる。湖南省博物館では「辛追夫人」の3DデジタルヒューマンアバターによるAIエージェントを開発中で、今後は来館者を館内案内できるようになる予定だ。
また、中国四大名刺繍の一つである湘繍もデジタル技術との融合を進めている。湘繍伝承とイノベーション湖南省工学技術研究センター長の孫舜堯氏は、「私たちが開発したパンダ刺繍の置物『花花の家』は、AR技術を通じて愛らしい湘繍パンダとインタラクティブに触れ合うことができる」と語った。(提供/人民網日本語版・編集/YF)