中国メディアの環球時報は27日、中国に生息するサルのキンシコウが欧州の動物園に初めてお目見えしたとして、「キンシコウは中国が進めてきた『パンダ外交』の継承者になるかもしれない」と報じられたことを伝えた。
キンシコウについてこう報じたのは米AP通信で、AP通信は25日の報道でキンシコウのことを「独特のふさふさした金色のたてがみと薄青色の顔を持つ絶滅の恐れがある保護動物。
そして、「パンダ外交」と同様にキンシコウの研究・保護協力にも喜びの声が上がっていると記し、今年4月に3匹がフランスの動物園に到着したことを紹介。また5月にも3匹がベルギーの動物園に到着し、ベルギーと中国の国旗を動物園側が観光客に配ったことや、中国の伝統建築風の建物で3匹が暮らしていることを伝えた。
記事によると、ベルギーの動物園の広報担当者は「この取り組みの外交的意義はこうした文化的な意識から生まれる」とコメント。フランスの動物園の担当者は「中国の関係部門との長期的な科学交流関係を築くことを目指すものだ」と説明している。
一方、米セント・メリーズ・カレッジ・オブ・カリフォルニアの環境史学者は「ジャイアントパンダとキンシコウはいずれも中国の希少な保護動物であり、中国の国宝と見なされている」と述べ、「サルは中国の伝統芸術や文化に古くから登場し、数多くの絵画で描かれてきたほか、『西遊記』の孫悟空など文学作品のキャラクターにもなっている」と紹介。また、米セントジョセフ大学の中国史専門家は「世界的に緊張が高まる今、パンダは効果的な外交の足掛かりになっている」と指摘した。
さらに米ミズーリ大学セントルイス校の中国史専門家は「ジャイアントパンダは世界の舞台に登場するとすぐに現代中国のシンボルになった。このことは、パンダの愛らしい印象と中国が巧みに示す平和外交のイメージと無関係ではない」と述べ、「キンシコウはまだ世界的に中国を象徴する動物とは言えないが、その可能性を秘めている」との考えを示したという。(翻訳・編集/野谷)











