中国メディアの澎湃新聞は27日、保険金目当てで女性が実の息子を含む3人に殺害されるという事件を取り上げた。

記事によると、この事件は2023年9月に浙江省台州市で起きた。

女性が小型のオフロード車にはねられて搬送先の病院で当日死亡が確認されたというもので、その後の警察の調べで息子とその仲間2人が保険金欲しさに故意に起こしたものであることが明らかになった。

今年4月30日に台州市中級人民法院で言い渡された一審判決は主犯と認定した楊被告と盧被告を死刑、共犯とした程被告を懲役7年としており、現在は二審が行われているところだ。

記事には一審の判決書の内容として事件に至る経緯が記されている。それによると、23年4月、被害者の女性が交通事故で入院している間に楊被告と女性の息子である盧被告が女性の保険金が口座に入金されたら盗み取ることを相談した。

そして同年7月に31万元(約670万円)余りが振り込まれ、楊被告は盧被告が女性に無断で持ち出した銀行カードや身分証を使って2万元(約40万円)を引き出し、さらに盧被告も女性の口座から3万元(約60万円)を自分の決済アプリに移して楊被告に送金。楊被告は翌日も26万元(約550万円)余りを引き出し、2人はこれらの金を湯水のように使った。

また、もう1人の程被告を加えた3人は中学校時代の同級生で、社会に入ってから徐々に親しくなったもようだ。リーダー格の楊被告は「何を食べるか、どこに遊びに行くか」などすべて決めており、金も自らコントロールしていたという。

そして、収入がなく生活費がかさむ一方の3人は女性の保険金を使い果たし、こうした中で楊被告が思いついたのがわざと交通事故を起こして保険金をだまし取る手口だった。

当初3人は女性の目を突いて視力を失わせた上で交通事故を起こすことを計画し、これが思い通りにいかなかったことで楊被告は女性を車ではねて殺害することを持ち出した。盧被告はこれに同意し、3人は下見をして現場に防犯カメラのない場所を選んだ。

当日は盧被告が女性を現場に連れ出し、楊被告が車を運転して女性をはねた。

計画で程被告は助手席に座って事故に見せかける役とされ、楊被告らは「交通事故」だとして警察に通報した。

盧被告の一家は不和だったが、父親によると大きな対立はなかったという。記事では、楊被告の供述として盧被告が「母親との関係は普通」と話していたことも取り上げられている。(翻訳・編集/野谷)

編集部おすすめ