月、水、金は筋トレをして、火、木、土は高強度の有酸素運動をし、日曜日は仲間と一緒にジョギングやサイクリング。こうしたルーティンを初めて1カ月ほどしたが、体調はどんどんよくなるどころか、むしろ体調を崩しやすくなってしまった。
高強度の運動後は免疫機能が低下する可能性
科学者はまず、マラソン選手はマラソン大会に参加した後1週間は体調を崩しやすいという不思議な現象に目を留めた。
その後のモニタリングで、運動した数時間から数日間は免疫機能関連の指標に変化が起きており、リンパ球の濃度が下がり、免疫グロブリンが減り、T細胞の増殖反応が弱まることが分かり、その運動学上の大きな発見は「オープンウインドウ」と呼ばれている。
しかし、近年の研究では、免疫細胞は運動後、血液から筋肉や呼吸器系に移ってその役割を果たすことが分かっているため、それは単なる「免疫力の低下」ではなく、「免疫の再レイアウト」であるとされるようになっている。
その過程において、末梢血の防御力が下がるため、感染リスクが高まる。しかし、研究者は、全ての運動がそのような結果をもたらすわけではなく、高強度の運動をしたり、長時間運動をしたりした場合に、そのような状況が起こりやすいことを発見している。研究では、免疫力が下がりやすいのはアスリートやエクストリームスポーツ愛好者であることが分かっている。
現有の研究結果では、中・低強度の運動をすると、体を良好な免疫監視状態に保つことができることが分かっている。
運動後の体調不良は睡眠不足やストレスとも関係
また近年の研究では、運動後に体調を崩しやすい場合、睡眠不足やストレス、少なすぎる食事量、周りの環境の影響といったいろんな影響が重なった結果であることが分かっている。体全体にかかるプレッシャーが大きくなると、免疫機能も「麻痺」しやすいからだ。
運動すると体が疲れ、加えて上記のような要素が重なると、体の負担が大きくなる。そして、そのような時に、何かのウイルスの襲撃を受けると、体調を崩しやすくなるのだ。
夜更かしを例にすると、研究では、一晩であっても、体の自然免疫の反応が低下することが分かっている。
研究では、被験者が夜10時から早朝3時の間に寝ることを禁止したところ、その後のデータモニタリングで、翌日の白血球とナチュラルキラー細胞活性が目に見えて変化することが分かった。
睡眠時間の減少は好中球にも悪影響を及ぼす。それら免疫細胞の発現水準の変化がウイルス感染リスクを高める可能性がある。
そのため、夜10時まで残業した後の筋トレやジョギング、夜更かしした翌日の運動は、ストイックなのではなく、体に対する極限の挑戦となる。
もし、ダイエットをしたいと思っている場合でも、注意が必要だ。過度に食事の量を減らすと、体のエネルギーや栄養が不足し、そうした状態で運動すると、体に悪影響を及ぼすことになる。
運動にはメリットがたくさんあるものの、量が多ければ多いほど体に良いわけではなく、ハードなほど体に良いわけでもない。運動すればするほど体調を壊しやすくなるという落とし穴に落ちてしまわないようにくれぐれも注意しよう。(提供/人民網日本語版・編集/KN)











