中国山西省大同市にある有名な石窟の雲岡石窟では、第7窟と第8窟の5カ月間にわたるデジタル化作業および保護修復工事が終了し、10月27日に見学客の受け入れを再開しました。来訪者は改めて、北魏時代(5世紀)の彫刻芸術の魅力を間近で鑑賞できるようになりました。

雲岡石窟の第7窟と第8窟はいずれも石窟芸術の精華ですが、それぞれ独自の特徴を備えています。第7窟では四方の壁に仏像を安置するためのくぼみである龕(がん)が層状に配置されています。天井は中国の古建築に用いられる装飾的な藻井(そうせい)で、諸仏の周囲を飛び回って礼賛すると考えられた飛天や蓮の花が飾られています。中央の6体の天人は優雅な姿で並び、「雲岡六美人」と称されます。第8窟は「合掌して歯を露わにした菩薩像」で知られます。眉を下げて微笑み歯を見せてる姿は、従来の仏教彫像に見られる厳粛な様式を打ち破るものとして、「東方のビーナス」と讃えられています。

雲岡研究院は今年5月13日から、第7窟と第8窟を臨時閉鎖して、データ収集と洞窟の調査を集中して実施しました。今回の保護工事では、洞窟の亀裂の封鎖と危険な岩体の補強だけでなく、温度、湿度、照度などの環境指標についての警報をリアルタイムで出す動態監視システムを構築しました、このシステムにより、今後の科学的保存や維持管理に向けての精密なデータによる支援が提供されることになりました。(提供/CRI)

編集部おすすめ