2025年10月27日、香港メディア・香港01は、中国で建造中の「人工太陽」が2027年に完成予定であると報じた。

記事は、中国外交部の毛寧(マオ・ニン)報道官が25日、SNSのXで「人工太陽」が27年に完成予定だとした上で「この装置が人類史上初めて核融合による発電を実現する可能性がある」と述べたことを紹介した。

記事によると、「人工太陽」とは安徽省合肥市で建設中の「トカマク型核融合実験炉(BEST)」のことで、高磁場超伝導トカマクを採用し、高性能超伝導マグネットや重水素・三重水素燃料などの新技術を組み合わせることで、世界初の核融合発電の実証を目指している。炉の主要システムが稼働可能な状態となった今年5月に仕上げの組み立て作業が始まり、27年の完成後に世界初の核融合エネルギーによる発電デモンストレーションを経て、30年には本格稼働を始める計画だという。

核融合発電は、クリーンで安全な「究極のエネルギー」とされている。合肥市には全超伝導トカマク装置「EAST」や、炉の主要系統設備を研究する「CRAFT」も集積し、EASTによるプラズマ点火から、BESTによる発電実証、CRAFTによる部品製造へと連携を進めていくことにより、今後20~30年で核融合発電の実用化を家庭レベルに広げることを目指すと記事は伝えている。(編集・翻訳/川尻)

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