2025年10月27日、中国メディアの第一財経は、中国の自動車輸出相手国の構成に変化が生じていることを報じた。
記事は、今年1~9月における中国の自動車輸出は前年同期比21%増の571万台で堅調な増加を見せ、特に9月単月では同26%増の76万3000台を輸出したと伝えた。
さらに、新エネ車の中でも電気自動車(EV)と並んでプラグインハイブリッド車(PHV)の輸出が爆発的に伸びており、1~9月の輸出は同3.1倍の69万台にまで増えたと紹介。業界関係者からは中国製品の競争力、世界市場における中国車の評価が高まっていることの表れとの見方が出ていることを伝えた。
その上で、1~9月の輸出相手国ランキングではメキシコが約41万台で1位、アラブ首長国連邦(UAE)が約37万台で2位に入った一方、昨年は最大の輸出先だったロシアは約36万台で3位に後退したと指摘した。
そして、ロシアは前年同期比で58%(約49万台)の減少となったのに対し、新興市場は軒並み大きな伸びを見せたことに触れ、22~24年にロシア市場が中国車輸出の核であった時代が終わり、中南米、中東、欧州など、より多様で持続可能な市場への分散が本格化したと分析した。
また、地域別に見ると欧州ではベルギーが約22万台、英国が約15万台で多くなっており、中東ではUAEの伸びが著しいと解説。重要な市場となりつつある東南アジアではフィリピンが約15万台で、タイやインドネシアとともに堅調な需要を保っているとした。さらに、オーストラリアやブラジルなどの南半球の市場でも安定的な輸入を実現していると伝えた。
記事は一方で、中国製自動車の輸出拡大における課題についても言及。輸出台数が増加する一方で平均単価が減少しており、中低価格帯がなおも主力となっていること、欧州連合(EU)による関税措置などの貿易障壁、ブランドイメージや現地のサポートを含めたローカライズの難しさなどを挙げ、奇瑞汽車の尹同躍(イン・トンユエ)董事長が「中国車に安全、信頼性の高さ、高級感という新たなイメージを構築する必要がある」と語ったことを紹介している。(編集・翻訳/川尻)











