想像してみてほしい。夜にパーティーを開こうとしていて、メニューも決まっている。

ChatGPTを搭載したブラウザにメニューを打ち込んで、店を探すように指示を出し、すべての食材を買い物かごに追加すれば、そのまま自宅に配達までしてくれるのだ。

これはSF映画のワンシーンではない。OpenAI社は最近、AI(人工知能)ブラウザ「ChatGPTAtlas」を打ち出し、このような現実的な可能性を示した。登場から一夜にして、「ChatGPTAtlas」は世界中の注目を集めることになった。

ChatGPTはすでに多くのユーザーを獲得し、実際の質疑応答のシーンを解決してきた。それなのになぜ新たなブラウザを打ち出したのか。これについてOpenAI社は、「ブラウザこそがあらゆる作業、ツール、そして状況が集まる場所であり、ChatGPTをベースに構築されたブラウザにより私たちは本当のスーパーアシスタントにより一層近づけるようになり、あなたの世界を理解し、あなたの目標の実現をサポートすることができる」と説明した。

「ChatGPTAtlas」は最初のAIブラウザというわけではない。すでに今年7月、対話型検索エンジンのPerplexity(パープレキシティ)AIが、「当社はAI検索機能を搭載した新ブラウザ『Comet』を打ち出した。市場のリーダーであるグーグルの支配的地位に挑戦したい」と発表。WEBサイト解析ツールのStatCounter(スタットカウンター)のデータによると、6月現在、グーグルのブラウザ「Chrome」は世界ブラウザ市場で68%のシェアを占めている。

中国でも同様の変革が静かに進行中だ。

百度と360捜索の両検索エンジンはブラウザと深く融合した業務を進めており、今年はそろってAI検索を打ち出した。百度を例にすると、検索窓が大きくなって「スマート検索窓」になった。もともとは数十字しか打ち込めなかった検索窓だが、今では1000字を超える長文テキストの打ち込みやファイルのアップロードも可能になり、AIライティングやAI画像生成など多くの機能を集めたワンストップ式が実現した。

阿里巴巴(アリババ)傘下のAI検索アプリ「夸克(クオーク)」の内部ではコードネーム「C計画」のAI業務が進められている。夸克の中心チームが主導し、通義実験室からも精鋭が多数参加している。複数の事情通の話では、この計画は対話型AIアプリ業務と関連があり、特に重要なのはAIブラウザの推進で、「Chrome」をターゲットにしているという。

このような変革の背後にあるのは、ユーザーの検索行動の根本的な変化がある。従来の検索エンジンではユーザーの約40%がURLやリソースの検索を目的としていたが、質問の解決は60%に達し、現在の質問形式の検索需要は90%にも達している。

分析によると、モバイルインターネット時代において、ブラウザはコンピューターのインターネット時代の絶対的な入り口として、さまざまなスーパーアプリケーションにより注目が分散された。だがAIの強化により、ブラウザは再びデジタルライフの中心になる可能性があると見込まれる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

編集部おすすめ