中国北部で多くの地域の気温がここ数日急激に下がり、寒さを避け、ウエルネスや療養のために、比較的暖かい南部へと移動する旅を始める高齢者が増加している。人民日報海外版が伝えた。

旅行サイトのデータを見ると、国慶節・中秋節連休(10月1~8日)終了後、北京や瀋陽、天津といった北部の都市で避寒旅行の予約が目に見えて増加している。旅行先を見ると、広州や三亜、桂林、珠海、深セン、シーサンパンナ・タイ族自治州、アモイなどが人気となっているほか、タイ、モルディブ、インドネシア、ニュージーランド、マレーシアなどに向かう海外旅行も人気だ。

雲南省曲靖市に来るのは3回目という上海から来た高齢者男性の封さんは、「ここは気候が穏やかだし、私たちのような60歳以上の高齢者は無料で路線バスに乗ることもでき、冬を過ごすのにとても適している」とした。

複数の機関が発表している研究報告を見ると、雲南省にとって、長江デルタは最大の滞在客送り出し地域となっている。「渡り鳥スタイル」の生活を送るシルバー族のニーズが高まり、雲南省の農村は「特需」に沸いている。8月の時点で、雲南省において、他の地域から来る滞在者を対象とした業務を取扱う自然村は前年比11.5倍増の630村以上になっている。また、遊休家屋1万543棟を活用して、現地の村民の増収につなげている。

2024年末の時点で、中国の60歳以上の高齢者の数は3億1000万人に達しており、旅行を楽しむシルバー族が増加している。そして、「渡り鳥スタイル」の生活という新たな文化観光消費のスタイルがシルバー族の間で注目を集め、人気となっている。

シルバー族の間でニーズが高まっているのを受け、一連の優待政策や観光商品も次々と打ち出された。北京市や天津市、河北省、内モンゴル自治区、雲南省、海南省、黒竜江省、吉林省の8省(市)は「冬は南部、夏は北部で過ごす」高齢者を対象とした高齢者ケアサービスプラットフォームの事業メカニズムを共同で構築した。利用したい高齢者は関連のサービスプラットフォームを通して、滞在を希望する場所の位置や料金などをチェックできるほか、問い合わせや予約をすることもできる。

(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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