第15回アジア・オセアニア気象衛星利用者会議・2025年風雲気象衛星国際利用者会議で28日、風雲3号H衛星(以下「H星」)の初観測画像セットが公開された。H星に搭載された9台のリモートセンシング機器のうち6台がすでに起動し、軌道上での試験運用が行われている。
H星の初観測画像セットは、すでに起動している一部搭載機器の観測データに基づいて取得されたものだ。温度、湿度、雲など多様な大気要素のリモートセンシング観測を実現した上で、H星はさらに全球的な温室効果ガスやオーロラなどのリモートセンシング情報を同時に取得することができる。
全球観測の面では、H星は100メートル級の光学イメージング能力を継承しており、その中分解能分光イメージャは毎日、複数の波長帯で隙間のない全球観測を行うことができる。また、マイクロ波温度計やマイクロ波湿度計などのマイクロ波機器が複数の波長帯で全球観測を行い、地球システムの多層構造における主要なパラメータ変数を取得し、数値天気予報などの中核的な気象業務を支える。
台風監視という典型的な応用シーンにおいて、H星はマイクロ波温度計とマイクロ波湿度計という2つの先進的大気垂直探測装置を連携運用し、全球3次元大気の「CTスキャン」を実施。台風21号「マットゥモ」内部の温度および湿度の垂直分布情報を取得し、3次元の台風垂直断面を生成することに成功した。
風雲3号気象衛星は極地に対する高頻度観測能力も備えている。H星は1日14回、南北両極を通過し、中分解能分光イメージャが取得した南極のトゥルーカラー画像は、極域の氷雪地表や雲の分布の詳細を鮮明に捉えている。さらに、全球測位衛星電波掩蔽観測装置により、極地の海氷や積雪を定量的に観測することができる。マイクロ波温度計とマイクロ波湿度計は、北極の極渦および今年10月に中国に影響を及ぼした今季初の大規模寒波過程を捉えることにも成功した。
今回発表された初観測画像セットには、アジア・オセアニア地域の中分解能分光イメージャによる晴天合成画像や、「一帯一路」共同建設国である中米海域の海洋水色の美しい画像なども含まれている。
なお、H星は2026年7月に業務試験運用段階へ移行し、全球規模のデータサービスを提供する予定だ。(提供/人民網日本語版・編集/YF)











