中国メディアの国際船舶網は29日、「中国から東南アジアへ?」と記し、韓国の造船大手のサムスン重工業がグローバル展開を加速させていると報じた。
記事がその背景として挙げたのが、中国で建造された船舶や中国企業が保有する船などに対する米国側の入港手数料だ。
記事によると、サムスン重工業が建造契約を結んだのはリベリアの船主で、契約金額は3411億ウォン(約370億円)。ベトナムの造船所での建造を予定しており、引き渡しは2029年3月を見込む。同社がベトナムの造船所に1隻丸ごと建造委託するのは今回が初めてという。
この造船所の名前は明かされていないが、ベトナム国家産業エネルギーグループの傘下企業とみられている。これに先立つ今年6月、サムスン重工業とこの企業は原油タンカー2隻など計4隻の建造について基本合意書を締結。11月に契約を結んで建造の準備作業に取り掛かる予定で、サムスン重工業によると、これは「グローバル生産拠点を継続的に拡大する運営戦略の一環」となる。
今回の原油タンカー3隻を含め、サムスン重工業は今年計30隻、52億ドル(約7930億円)を受注しており、これは年間目標額の53%に当たる。
同社の計画では、韓国国内にある巨済造船所を技術開発センターとし、液化天然ガス(LNG)運搬船、環境対応型コンテナ船などの高付加価値船舶の建造に焦点を当てる。原油タンカーについては設計と主要設備の調達を自社で手がけ、建造は韓国、中国、東南アジアの協力造船所に委託するという。
また、韓国国内での人件費やエネルギーコストの上昇、生産能力不足の問題を緩和するため生産拠点の多様化による「低コスト生産」の実現を目指す同社は、中国の造船所への外注を通して生産能力の不足を補ってきた。
だが、こうした中、米国の中国に対する厳しい制裁の可能性を受け、韓国の造船業界はサムスン重工業が東南アジアをはじめとする中国以外の地域へのシフトを加速するとみているといい、記事は「ベトナムとの協力はサムスン重工業にとって中国依存を減らす重要な一手になる」と指摘した。
 
                         
                             
                                         
                                         
                                         
                                         
                                         
                                         
                                         
                                         
                                         
                                 
                                 
                                 
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                    










