中国SNSの微博(ウェイボー)にこのほど、「映画・テレビ業界で俳優のバックグラウンドチェックの時代に突入」との投稿があり、話題を集めている。
情報によると、映画やドラマなどのコンテンツ制作に際し、かつては影響力、人気、役者が持つデータなどがキャスティングの基準となっていたが、これからは薬物使用、買春、脱税、不当発言などの不正行為に焦点を当てたバックグラウンドチェックに力を入れるという。
この件に関し、あるプロデューサーは、「制作会社は数年前から契約書にリスク条項を盛り込み、パートナー企業に俳優に関するうわさや意見を積極的に確認するようになった」としながら「契約書に関連条項を明記することで、役者が問題を起こした場合に請求の法的根拠となり、少なくとも一部の損失を回収できる」と明かした。
一方で、「財務・税務関連では契約合意を通じてコンプライアンスへの取り組みを要求することしかできず、法的リスクは問題が炎上するまで検知することが困難なため、いずれも契約書に制約を設ける方法しかない。また、制作会社が背景審査を行うことは非常に難しいが、プラットフォームが主導するビッグプロジェクトに限定して多角的な審査を行う可能性はあり得る」と付け足した。
別のプロデューサーも「映画・ドラマは芸術作品であるため、統一された判定基準がない上、制作会社には俳優および近親者の納税状況や法違反の履歴を調べる能力も法的手段もないため、バックグラウンドチェックの実施は難しい」とした。
とはいえ、二者とも「俳優を巡るスキャンダルは映画やテレビ番組のプロジェクトに深刻な影響を与える可能性があり、必要なリスク管理は不可欠だ」と同調。さらに、「映画やドラマの制作数が減少している今、業界はこれまで以上にキャスティング基準を厳格かつ慎重にする必要がある」と補足した。
「役者のバックグラウンドチェック」の話題に中国のネット上では、「脱税、薬物、買春、DV(ドメスティックバイオレンス)などの問題で作品がお蔵入りになるケースがあったので、キャスティングの段階でリスクを徹底的に排除することは必要不可欠だ」「作品には大勢の人が関わる。1人のせいで延期や中止になるのは許せないことだ」「制作費の回収ができないと次の作品につながらないので、最終的には業界全体に影響が出る」などの意見が寄せられた。(翻訳・編集/RR)











