「幻の 秋の夜長に 露けむり」
2020年、まだ大学受験の準備に追われていた私は、あるビデオをきっかけに初めて「日本」と出会った。
その年、私は高校3年生で、毎日「授業」や「宿題」や「暗記」などの繰り返しの中で過ごしていた。
街路樹の桜がそよ風にそよぎ、花びらが雪のように舞い落ちていた。古い建物が通りに沿って建ち並び、瓦屋根は夕日に照らされて微かに光っていた。時折、和服を着た女性が街角をゆったりと歩いてきた。遠くからは澄んだ笛の音とチャンチャラチャンと琴の音が聞こえた。その瞬間、私はこの静かで美しい絵巻に深く引き込まれ、京都の夕暮れの街並みに「浸りました」。高校の先生が言ってた通り、日本の景色は本当に絵巻のように美しかった。
中日友好が深まり、文化交流が益々頻繁になるにつれて、日本を旅行する中国人が増えている。
大学受験が終わった後、新型コロナウイルス流行の関係で、結局私は日本に行くことができなかった。今日、AI技術の進歩に伴い、多くの「不可能」が次々と実現している。2022年、ChatGPTはロボットによるテキストチャットまで現実した。2024年には、Soraの開発により、仮想世界が現実となった。現在、VR技術も日々成熟している。もしVR技術とAI技術を組み合わせたら、「日本旅行」のハードルは大幅に下がるかもしれない。現実世界で日本の土を踏むことができなくても、より多くの人々が仮想世界で日本の景色を楽しみ、日本の文化を体験し、日本人と交流することで、日本をより深く理解する未来は近いのだ。
VR技術を通じて、私たちはいつでもどこでも「本物の仮想の世界」を見ることができる。
VR技術とAI技術の組み合わせにより、私たちは時空の制約を超えて、日本文化との親密な接触を実現することができる。このような仮想旅行が実現すれば、日本に行くことができない人々の好奇心や憧れを満たすだけでなく、より多くの人々が日本のユニークな魅力をより深く理解し、体験することができるに違いない。
「友として 心を結び 海を越え 文化の花は 永遠に咲く」
中国には「遠い親戚より近くの隣人」という古い言葉がある。海を隔てて向かい合う「良い隣人」としての中国と日本は、現在の情報化時代においても時代の風に乗り、日本で中華文化が深く尊まれたように、中国でも和の美が愛でられる未来は明日にも迫っている。
■原題:もうひとつの世界で日本に出会う
■執筆者:鄧雄濤(清華大学)
※本文は、第20回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「AI時代の日中交流」(段躍中編、日本僑報社、2024年)より転載・編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。











