中国国家衛生健康委員会と中国疾病予防管理センターのデータによると、2024年末までに、中国では60歳以上の高齢者人口は約3億1000万人に達しました。また、中国で60歳以上の高齢者のうち、75.8%が少なくとも一つの慢性疾患を患っており、慢性疾患による死亡者数は総死亡者数の88.5%を占めています。
慢性疾患のうち、高血圧、高血糖、高脂血症が中国の高齢者に最も良く見られる疾患となっています。うち高血圧の有病率は49%に達し、コントロール率はわずか7.6%で、高齢者にとって慢性疾患の管理は深刻な課題であり、身体的な苦痛だけでなく、心の健康にも大きな影響を与えていることが分かりました。
アリババ傘下のアント・グループが開発・運営している医療保健AIアプリの「AQ」では、うつ病、高血圧、糖尿病が高齢者からの相談件数が最も多い三大慢性疾患に挙げられています。AQの医師陣によると、高齢者の中では、冠状動脈性心疾患の注意事項から糖尿病の食事指針まで、AI音声による慢性疾患のケアについての相談を繰り返している高齢者ユーザーが大勢います。AQと1日に1000回以上も会話をし、「毎晩1~2時間しか眠れない」と悩みを繰り返し訴える高齢者ユーザーもいます。
専門家によると、高齢者は自分の健康を大切にしたいうえ、専門家によるケアを望んでいるものの、子どもに迷惑をかけたり家族の負担になったりするようなことを恐れているということです。
中国では、高齢化社会への移行が加速しています。2035年には60歳以上の高齢者人口が4億人を突破し、重度の高齢化社会に突入します。中国では高齢者の6割以上が一人暮らしや夫婦だけで暮らしています。AQのデータによれば、中国では8割以上の高齢者に薬を飲み忘れる現象が起きており、慢性疾患の診療やリハビリなどの医療サービスを知ってそれを購入したことのある高齢者は5分の1にも満たないということです。(提供/CRI)











