2025年10月31日、中国メディアの環球網は米エンターテインメント情報週刊誌のザ・ハリウッド・リポーターの報道を基に円熟期を迎えつつある中国アニメ業界について紹介した。

記事は初めに、25年上半期の興行収入ランキングで154億4600万元(約3089億円)を記録するほど好評だった「哪吒之魔童鬧海(邦題:ナタ 魔童の大暴れ)」(ナタ2)や、累計興行収入が「カンフー・パンダ3」を上回る10億260万元(約210億円)を突破し、中国アニメ映画史上の興行収入ランキングでトップ10入りを果たした「浪浪山小妖怪(英題:Nobody)」などの中国アニメ作品の好調ぶりに言及し、「ここ数年、中国映画産業の急速な発展の推進力の一つとなった中国アニメは、現時点での創作の実力を十分に表現している」と伝えた。

「浪浪山小妖怪」のプロディーサー兼アートディレクターの陳廖宇(チェン・リャオユー)氏は、「アニメが子どもたちだけの娯楽だった時代はとうに過ぎた。今の中国アニメ制作者は中国の文化遺産や精神的本質を意識的に探り、世代間の普遍的な価値を持った創作に力を注いでいる」と話した。

記事によると、10月20日までの統計で、中国映画の海外市場での興行収入は1億4000万ドル(約216億円)といわれ、昨年の数字を超えたという。

記事は最後に、10月29~31日に「東京国際映画祭(TIFF)」と同時開催されている「TIFFCOM(映画やテレビ、アニメなどを中心としたマルチコンテンツマーケット)」にも多くの中国アニメの制作会社や関連組織が集まり、近日上映予定の多数の作品を出品していることや、中国の映画制作会社・中国電影合作制片公司が中国映画のプレゼンテーションを開催し、舞踊詩劇「只此青緑」などの作品を世界の業界人に紹介していることに触れた上で、「中国電影合作制片公司は東京で中国映画合同ブースを立ち上げ、国際的な映画市場での取引を進めることで、外国との協力や合作などを通じて世界の映画産業の文化交流を強化するとともに、中国映画産業と作品を世界の市場へと押し上げたいと考えている。映画産業が多元的な発展を遂げることで、より高度な内容を求める現代の観衆を引き寄せたいようだ」と述べた。(翻訳・編集/原邦之)

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