中国科学院国家天文台が11月3日明らかにしたところによると、中国北部河北省興隆県にある多天体分光観測用の反射シュミット型望遠鏡「郭守敬望遠鏡(LAMOST)」が公開したデータは、2025年10月の時点でスペクトルデータ累計2807万件、恒星パラメータ1159万組に達し、データ量は世界第1位を維持したとのことです。LAMOSTが公開したスペクトルデータは、銀河系の形成や進化、高密度天体や系外惑星などの先端科学分野において、世界の天文学者の研究に画期的な進展をもたらすとみられています。
LAMOSTは中国独自の革新デザインによる広視野多天体光ファイバー分光望遠鏡です。これまでに世界中で1800人以上の研究者がこのデータを利用して科学研究を進めています。過去1年間で、LAMOSTのデータに基づく研究論文は417本発表されました。
LAMOST運行・発展センターの主任を務める中国科学院国家天文台の羅阿理研究員は、「LAMOSTチームは国内企業の長飛光ファイバー・光ケーブルと協力し、光学望遠鏡に適した国産天文専用特殊広帯域光ファイバーを共同開発した。新たに研究開発されたこの光ファイバーは、実験室テストと望遠鏡利用時の予備テストを完了し、間もなく量産・実用化される。このほか、LAMOSTチームはコア部品である微細動作を制御する変位アクチュエーターの国産化も実現した」と紹介しました。
羅研究員はまた、「これら技術の進展は中国がアクティブ光学システム、光ファイバー測位制御システムなどの分野において自主研究開発の能力を実証しただけでなく、国内の高精度光学部品、精密機械製造、独自ソフトウェアアルゴリズムなど関連産業チェーンの発展もけん引することができた」と述べました。(提供/CRI)











