中国メディアの参考消息は6日、「中国はどのようにしてパキスタンの屋上太陽光発電革命を巻き起こしたか」とする英エコノミストの記事を紹介した。

記事はまず、昨年の夏、収入の4分の1を電気代が占めているにもかかわらず、気温が50度を超える中、度重なる停電のため扇風機なしでの生活を家族と共に余儀なくされたムハメド・ムニールさんのように、パキスタンでは中国から輸入した太陽光パネルを屋根に設置することで自ら問題を解決する人がますます増えていると伝えた。

その上で、「中国のグリーンテクノロジーは、世界の多くの市場を変革しつつある。パキスタンはおそらくその最も顕著な例だろう」とし、「パキスタンは今年、世界第2の太陽光パネル輸入国となり、南半球におけるグリーンエネルギーへの移行の実験場となっている」と伝えた。

記事によると、パキスタンを旅すると、平屋建てのバンガローからモスクに至るまで、また農場から道端の商店に至るまで、ソーラーパネルが目に入る。農村部では、ソーラーパネルが取り付けられたトレーラーが、ある家から別の家へと移動していく。結婚持参金にソーラーパネルが含まれるケースも増えている。

記事は、パキスタンの中国製太陽光パネルの年間輸入量は2024年に16ギガワットに増え、25年1~9月にさらに16ギガワットを輸入したことを紹介し、「太陽光発電の新規利用者の間では、日没後も電力を利用できる中国製バッテリーを設置する傾向が強まっている」と伝えた。

記事によると、パネルの需要は依然として高く、既存のパネルの稼働率を高めるため、中国製バッテリーの輸入が急増している。パキスタンのエネルギー大臣のアワイス・レガリ氏は「バッテリーストレージが安価になれば、人々はそちらに移行するだろう。これは前兆だ」と語る。同氏は中国と発電事業を対象とする協定の再構築について交渉を開始するとともに、電力網近代化と電力市場の強化についても中国をはじめとする関係機関の専門知識を求めている。パキスタン政府は太陽光パネルやバッテリー、その他の環境技術の国内製造に向けて中国からの投資を呼び込もうとしている。フィンランドに拠点を置くエネルギー・クリーンエア研究センターのラウリ・ミルリヴィルタ氏は「パキスタンはテストケースだ」とし、「消費者や商業ユーザーが煩雑な許可や官僚的な手続きを必要とせずに導入できる技術は、はるかに迅速に進展する可能性があることを示している」と語る。

記事は「中国がレガリ氏の提案にどう対応するかの重要性はパキスタンだけにとどまらない。南半球全体のエネルギー転換に教訓を与え、方向性を示す可能性もある。中国は各国に安価な太陽光発電のメリットを最大限に活用できるよう支援し、その過程でより大きなソフトパワーを獲得できるだろう」と伝えた。

記事によると、太陽光発電と風力発電の発電量シェアの伸びにおいて、南半球はすでに北半球を上回っている。全くの偶然ではないが、中国の南半球への太陽光発電輸出も初めて北半球への輸出を上回った。これはおそらく、先進国の貿易障壁によるところが大きい。しかし、南半球への輸出増加は、太陽光発電が今や新たな発電容量を求める人々にとって、圧倒的に安価な電源となっているという事実にも起因している。

記事によると、国際エネルギー機関(IEA)は、24年から30年までにグリーンエネルギーの発電容量がアジア、中南米、サハラ以南のアフリカで2倍以上に、また中東と北アフリカでは3倍に増加すると見込んでいる。

記事は「中国は今後10年間で、発展途上国全体のエネルギーインフラの技術基準を策定したいと考えている。これにより、中国の技術と互換性のあるシステムが徐々に定着するだろう。グローバルサウス全体における政治的影響力を獲得する可能性もある。多国間の気候変動協議においてより大胆な立場を取ることも同様に有効だ。

多くの貧困国は、地球温暖化の影響を最も深刻に受けている」と指摘。「中国は、この機会を最大限に活用するために、受入国が自国のグリーンエネルギー産業を発展させるために必要な技術をより多く移転し、グリーンファイナンスや送電網の近代化、エネルギー転換を管理するための政策立案などの面で、受入国への支援に一層注力する必要がある」と伝えた。(翻訳・編集/柳川)

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