第1回中国(国際)ロボットディベート大会の決勝戦が9日、北京で開催され、ロボットディベーターたちが「舌戦」を繰り広げた。中国新聞網が伝えた。
大会は「人間と機械の協働――人間vsロボット」の予選と準決勝を経て、最終的にロボット同士の決勝戦へと進んだ。「天才と努力には関係があるか」「人間の時間は宇宙の運行を刻めるか」など、複数の哲学的テーマを巡って4チームが2対2の対決を行った。
優勝を争う最終ラウンドでは、「ロボットは人類を支配するのか?」という論題の下、湖北大学チームの人型ロボットと松延動力・小諾チームの半身型バイオニックロボットが激論を交わした。
湖北大学チームの人型ロボット「思睿」は、「ロボットは人間に代わって大量の単純労働を行うことができ、知力や経験を要する仕事も徐々に代替している。ロボットの発展は最終的に人間を置き換え、支配を実現するだろう」と主張した。
これに対し、小諾チームのロボットは相手の論理的矛盾を突き、「自動車が馬車に、電卓がそろばんに取って代わったとしても、それらの道具が人類を支配したとは誰も言わない」と反論した。
両チームのロボットは激しい攻防を繰り広げた。審査員は論理、言語表現力、マルチモーダル対話能力、スキル表現、臨機応変さの5項目で採点を行った。
最終的に小諾チームが優勝を果たした。同社のロボットは世界初の人型ロボット・ハーフマラソンで2位を獲得した経歴を持つ。
小諾チームの開発プロジェクトマネージャー・陳鵬(チェン・ポン)氏は、「優勝できて本当にうれしい。ロボットの言語論理表現は予想を上回る出来だった。
北京ではこれまでに、世界初の人型ロボット・ハーフマラソンや世界初の人型ロボット運動会が開催されており、今回のディベート大会はロボットが「武にも文にも」優れる潜在力を示す場となった。中国機械工業連合会によると、今年第3四半期までの中国の産業用ロボット生産台数は59万5000台、サービスロボットは1350万台に達し、いずれも2024年通年の生産台数を上回った。
大会審査員の一人で、科大訊飛(iFLYTEK)副総裁の呉駿華(ウー・ジュンホア)氏は、「ロボットのディベートは音声認識、音声合成、自然言語理解と生成といったAIの中核技術を試すだけでなく、マルチモーダル知覚、知識推論、人間と機械の協調能力が集中的に現れる場でもある。ロボットの発展には、ソフトとハードの一体化が不可欠で、柔軟で強靭な『身体』と、価値判断と安全意識を備えた『頭脳』の両方が必要だ」と話す。
中国技術市場協会人工知能・伝達専門委員会理事長の趙雲澤(ジャオ・ユンザー)氏は、「ロボットディベート大会の開催自体が一つの科学実験だ。この大会はAI技術の進化や大規模言語モデルのアルゴリズム最適化を大きく促進し、さらにAIと人文・社会科学の深い融合、人間と機械のインタラクション技術の実践応用を一層推し進めるだろう」と話した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)











