中国にはすでに「GDP1兆元都市」が27都市存在し、その分布は東部沿海エリアから中西部内陸エリアへと拡大し続けてきたが、東北エリアという重要なピースだけが欠けていた。
東北エリアの経済の中心都市である大連は、2024年にGDPが9516億9000万元に達し、1兆元(約21兆円)の大台に迫った。
東北エリア初の「GDP1兆元都市」が出現しようとしている。大連が最有力候補となることができたのはなぜか。背景には工業経済と港湾経済の大きな貢献がある。
工業は大連の経済上の命脈であり、23年には大連のGDP成長への寄与率が6割に達した。国の重要な工業拠点として、大連は数多くの主力産業を有している。中でも石油化学産業は群を抜いており、24年の生産額は4256億元に達し、その規模は東北エリアで首位、全国で4位を維持した。
大連のもう一つの強みは港湾経済だ。世界銀行とS&Pグローバルが先ごろ発表した「コンテナ港湾パフォーマンス指数(20~24)」で、大連港は世界4位に躍進した。
近年、大連の対外貿易総額は遼寧省全体の約60%、東北三省全体の約40%を占め、輸出市場は200を超える国・地域に広がっている。
GDP1兆元の大台突破には、在来産業の力に加え、新たな原動力の後押しが不可欠だ。
大連人工知能(AI)計算センターが国家重大プロジェクトに組み込まれ、中国初の水素燃料電池式軌道機関車が引き渡され、大連海外華昇の先端電子材料プロジェクトが生産を開始するなど、大連は「新」へと進む各地の中でも後れを取らず、新興産業の育成と未来産業の布陣に努めている。
24年には、大連のGDPに占める戦略的新興産業生産額(付加価値ベース)の割合は14%に達した。今年は15%に引き上げることを目標としており、「GDP1兆元」へのスパートをかける上で新たな活力となるだろう。(提供/人民網日本語版・編集/NA)











