2025年11月8日、香港メディア・香港01は、中国が導入を進める緊急地震速報システムを「世界最強」として称賛する記事を掲載した。
記事はまず、緊急地震速報が地震予測ではなく、発生した地震を素早く検知して大きな揺れに備えるためのシステムであると説明。
そして、このシステムで重要なのは秒単位で警報を出せることだとし、大きな揺れまでに3秒間あれば死傷者を14%、10秒あれば39%軽減できるというデータを紹介。人命を守るだけでなく高速鉄道などのインフラや、化学工場、原子力発電所の緊急安全措置でも大きな効果を発揮するとした。
また、中国が緊急地震速報システムの導入に本腰をいれるきっかけとなったのは、08年に発生した四川大地震による甚大な被害だったと紹介。システムの本格的な構築は18年から始まり、運用しながら改良を重ねた結果、昨年7月にプロジェクトが完成したと伝えている。
緊急地震速報の仕組みは基本的に日本と同じようだ。また、テレビやスマートフォンを通じて速報を受信できる仕組みも同じだが、記事は「スマートフォンやテレビに初めから地震警報機能が組み込まれている」と説明。日本ではスマホの速報はキャリアが、テレビの速報はテレビ局が発信する仕組みが一般的であり、この点は若干日本と異なるようである。
記事は、中国の緊急地震速報システムについて、現在観測ポイントが約2万カ所設置され、全国に警報センターが33カ所あると紹介。国土全体の4分の1に相当する地域をカバーしており、華北や東南地域沿海部など5つの重点地域で「秒単位」の警報能力を実現していると説明した。
さらに、中国の専門家の意見として、自国のシステムは日本や米国、メキシコなど先行導入した国々よりも「カバー範囲がより広く、より迅速で、安定性が高く、より多くの人々にサービスを提供している」と伝え、「世界最強の緊急地震速報プロジェクト」と形容している。(編集・翻訳/川尻)











