2025年11月11日、中国メディア・舜網は、かつて「最も醜い建築」と評された広東省広州市の「銅貨ビル」が競売にかけられるも買い手がつかない状況だと報じた。
「銅貨ビル」と呼ばれる広州円大厦は珠江沿いにそびえ立つ総建築面積約10万5000平方メートル、高さ138メートル、33階建ての超高層ビルで、鴻達興業集団によって2010年に着工し、13年に竣工、15年に供用開始され、総投資額は10億元(現在のレートで約210億円)に上る。
記事は、古代の銅貨を模した特徴的なデザインで外円直径146.6メートルを誇り、当時は「世界最大かつ最も丸い建築」とされた一方、金色で銅貨を連想させるデザインは一部の市民やネットユーザーから「俗っぽい」「審美性に欠ける」と酷評され、ネット投票で「中国で最も醜い建築」に選ばれるなど常に論争の的となってきたと紹介した。
また、ビルを建設した鴻達興業集団が深刻な債務危機に陥ると、22年4月にはビルが抵当物として差し出され、同集団の経営が事実上破たんした23年8月には再建投資家を募集するため、開始価格約55億8900万元(同約1200億円)という高額で競売が試みられるも不成立に終わっていたと説明した。同集団は24年に広州市中級人民法院によって正式に破産裁定を受けた。
通算3度目となる競売が10月末にアリババの司法競売プラットフォームで始まり、開始価格が総評価額17億元(約370億円)の2割引きに当たる13億6000万元(約300億円)に設定されたものの、半月が経過した11月11日時点で入札登録者がいないという。物件情報のページに2万件以上のアクセスがあるなど高い関心が寄せられる一方で、巨額の保証金を伴う取引であることや建物の複雑な背景によって買い手がつかない状況だと記事は分析している。(編集・翻訳/川尻)











