中国・山西省で犬を殺害された飼い主の男性が相手の家に抗議に訪れたところ、自身も殺害される事件があった。中国メディアの揚子晩報が伝えた。
記事によると、今年1月30日午後、申(シェン)被告の息子が水を汲みに行く途中、隣家の郭(グオ)さんの家の庭につながれていた犬にかまれた。息子は犬を地面にたたきつけ、犬は死亡した。息子は事情を説明しようと郭さんの家を訪れたが不在だったため引き返した。その後、母親が郭さんの姉と電話で話し合うも折り合いがつかず、警察に仲裁を求めた。しかし、郭さん側はこれに応じなかった。
同日午後7時ごろ、郭さん一家が親族を引き連れて申被告宅を訪れた。申被告の家族の説明では、郭さんらは門を破壊して侵入し、庭やキッチンのガラスなどを壊した。また、申被告が取り囲まれて暴行を受け、止めに入った母と娘らも倒された。申被告は全身に打撲を負い、鼻骨を骨折したという。
争いの中で申被告が近くにあった包丁を手に取って振り回したところ、郭さんが切り付けられ、後に大腿動脈切断による失血性ショックで死亡した。郭さんには計9カ所の傷があり、腕には防御創ができていたという。このほか、現場にいた他の親族数人も負傷したとのこと。
申被告の娘は「多人数による襲撃」「自宅への不法侵入」「父(申被告)への暴行」があったとし、「父は逃げられず、包丁を手にしたのは身を守るため」と正当防衛を主張した。
一方、死亡した郭さんの妻は「ガラスは割ったが殴ってはいない」「取り囲んで暴行を加えてはいない」「夫(郭さん)が申被告宅に入って刺されるまで十数秒しかなかった(申被告は追い詰められた末にやむを得ず反撃したわけではない)」と反論し、「捜査関係者もこの事件は絶対に正当防衛にはならないと言っていた」と主張した。
申被告は1月31日に故意傷害罪で勾留され、8月27日に起訴された。記事は、近く開かれる裁判で「申被告の行為が正当防衛に当たるかどうか」が争点になると報じた。(翻訳・編集/北田)











