2025年11月16日、香港メディア・香港01は、中国では珍しい神仏ではなく猫や犬を祭る寺院について紹介する記事を掲載した。

記事はまず、23年に大ヒットしたアニメ「中国奇譚」に登場する「小猫廟」のモデルになったスポットとして、四川省綿陽市の道教寺院「雲台観」内に01年に建立された「譚猫殿」を紹介。

現地で猫が祭られるようになった経緯については諸説あり、武財神・趙公明の修行を守った霊猫が祭られているという説や、明清時代に同省で深刻だった虎の災害を避けるため、趙公明の乗り物である虎を猫に置き換えて信仰するようになったという説を伝えた。

また、「譚猫殿」は「中国奇譚」の大ヒットにより現地の人気観光スポットの一つとなっており、今なお多くの人がその名を慕って訪れるほか、キャットフードを供えて飼い猫の健康と平安を祈願する人も少なくないと紹介した。

四川省の山奥にある奇妙な廟、祭られているのは神仏ではなく猫と犬?―中国

次に、犬を祭る寺院として同省都江堰市にある古天狗廟を紹介。建立の由来は、古代の治水活動で功績を挙げた「哮天犬(こうてんけん)」に感謝するためという説が最も広まっているとしたほか、かつて地震で村全体が倒壊を免れる中で廟(びょう)だけが完全に倒壊したという伝説もあり、現地では「犬神が村人全員を守るために自らを犠牲にした結果」と信じられていることを説明した。

四川省の山奥にある奇妙な廟、祭られているのは神仏ではなく猫と犬?―中国

さらに、山中の「古天狗廟」を主廟として、その麓には「小天狗廟」も建てられており、両スポットは石段で行き来できるようになっているとも紹介。参拝する市民や観光客がドッグフードや歯磨き用のガムなどを神像の前に供えて愛犬の健康を祈る姿が見られるほか、愛犬と一緒にお参りする人も多いと伝えている。(編集・翻訳/川尻)

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