2025年11月17日、韓国メディア・イーデイリーは、韓国の主要産業が「30年までにすべて中国に追い抜かれる」と予想するの調査結果が示されたと報じ、「韓国が『最後の砦』としてきた半導体分野でさえ、中国企業に逆転される可能性が高い」と警告した。

記事によると、韓国経済人協会が輸出主要10大産業を営む企業を対象に実施したアンケート(200社が回答)で、「最大の競争国」として「中国(62.5%)」を選んだ割合が最も高くなり、米国(22.5%)、日本(9.5%)などが後に続いた。

また、「5年後の30年には(最大の競争国は)どうなると予想するか」という質問では、「中国」と回答した割合は68.5%に上昇し、競争激化を確実視する声が多数となったという。

さらに、韓国企業を100とした場合、「現在の中国の競争力」を問う質問では、25年現在ですでに「102.2」と中国が韓国を上回っており、30年には「112.3」まで上昇するとの予測が集計された。これは、米国(112.9)とほぼ同水準となる。

分野別の競争力では、韓国の輸出10大産業(鉄鋼、一般機械、二次電池、ディスプレイ、自動車・部品、半導体、電気電子、船舶、石油化学・石油製品、バイオヘルス)のうち、現時点で韓国が優位と回答されたのは半導体、電気電子、船舶、石油化学・石油製品、バイオヘルスなど5業種にとどまった。しかし30年にはその5業種含め、全ての分野で中国の競争力が上回ると予想される結果になり、産業界の危機感は強まっているという。

記事は、「韓国経済の流れを大きく左右する半導体まで遅れをとっている」とし、専門家による「中国政府から巨額の支援を受ける半導体企業・CXMTが、現在は韓国が事実上掌握しているHBM(高帯域幅メモリ)製品でも追い上げを見せており、韓国企業との差を2~3年まで縮めている」との分析を紹介。「すでに家電、スマートフォンなどの分野でも中国企業が急速に韓国を追い上げ、世界中で躍進している」と指摘した。

このほか、アンケートで「韓国企業が中国に抜かれる要因」として上位となったのは、製品の競争力の低下(21.9%)、海外進出リスクの増加(20.4%)、内需縮小(19.6%)などであり、状況改善のため企業側が政府に対し求めているものは、海外進出リスク最小化(28.7%)、人材養成システム(18.2%)、規制緩和(17.2%)、未来技術投資の拡大(15.9%)などとなったという。

韓国のネットユーザーからは「『30年に逆転』じゃなくて、もう追いつかれてると思う」「ついに半導体まで追い抜かれるのか…本当に終わりが見えてきた」「10年後、韓国企業は中堅国にも抜かされるんじゃないか」「若者も企業も海外に逃げていく理由がこれ」「結局、技術者を中国に大量に引き抜かれた時に危機感を持つべきだった」などの声が上がった。

また、「政府は現実的な産業政策を立ててほしい」「毎年『選択と集中』と言いながら、実際は何もしていない」「中国は国家が全面的に支援、韓国は規制で企業をしばる」「税金は企業を締めつけるのに使われ、技術育成には回らない」「人材は中国に流出、賃金は上がらない。これで勝てるわけがない」など政府の産業政策についての不満の声も多く見られた。(翻訳・編集/樋口)

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