渡り鳥の移動がピークを迎えたこの時期、鄱陽湖の奥地に位置する「渡り鳥の町」と呼ばれる江西省九江市永修県呉城鎮では、マナヅルの群れが湖水をかすめて飛び立つ様子が見られ、バードウォッチング愛好家がシャッターを切っていた。中国新聞網が伝えた。
渡り鳥がもたらす「エコツーリズム」によって、中国の複数の地域で画一的なバードウォッチングから多様な消費シーンへの発展が見られ、「バードウォッチング+観光」、「バードウォッチング+教育旅行」、「バードウォッチングガイド」などの新興業態が急速に形成されつつある。
中国中部に位置する江西省は東アジア・オーストラリア地域フライウェイの一部であり、同フライウェイは世界主要9大フライウェイの一つだ。
江西省遂川県にある「千年鳥道」山間部では、山中にひっそりとたたずむ農家レストランや民宿にバードウォッチング愛好家が次々にやって来ている。同県営盤圩郷の民宿「客家雲海」の責任者・曽発(ズン・ファー)さんは、「バードウォッチング観光が発展するようになって、商売はますます好調だ。今年のシーズンは連日満室で、売り上げは前年同期比60%増加した」と話した。
遂川県が「バードウォッチング経済」の発展を後押しするため、「バードウォッチング経済―科学教育―観光・レジャー」の観光発展モデルを構築し、農家レストランと民宿が200カ所以上誕生し、関連産業で働く人の年収は平均約3万元(約65万円)増加し、バードウォッチング経済がもたらした関連の森林経済の売上高は3000万元(約6億4500万円)を突破した。
オーダーメイド化・パーソナル化したバードウォッチング観光が発展し勢いに乗っている。福建省明渓県、雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州、安徽省黄山市、江西省上市などの地域で、バードウォッチングガイドやバードウォッチングへの出前サービスといった新たな業態が次々に登場した。
上市婺源県のバードガイドの余鵬海(ユー・ポンハイ)さんは、「これまで5回の冬季シーズンにバードウォッチング愛好家グループからの予約があった。バードガイドの仕事は観光客を案内して鳥の種類を説明し、観察や写真撮影をサポートすることで、ここ数年間で30数カ国・地域からの愛好家を案内した」と説明した。
公式データによると、上市の婺源県や余干県などでは新業態によって24年の受け入れ観光客数が延べ70万人を超え、1億元(約21億5000万円)以上の経済効果があったという。(提供/人民網日本語版・編集/KS)











