広汽埃安は11月16日、レンジエクステンダーと純電動の二つの動力方式を採用したSUV「i60」を正式に発売しました。新車は「国民向け5座席SUV」として位置付けられ、販売価格は10万4800元(約230万円)からです。
中国の新エネルギー車市場は、従来の「純電動優先」から「利用シーン優先」へと変化しています。特に北部の寒冷地や充電インフラが十分でない地域では、ガソリンで発電できるレンジエクステンダー搭載車が注目されています。業界では、20万元(約440万円)以下の市場における高品質レンジエクステンダー車の需要があるとされ、i60はこのニッチ市場を狙った製品です。政策面では、2025年以降、純電動航続距離100キロ未満の車は購入税減免の対象外となりますが、i60の純電動航続距離は210キロで要件をクリアしています。
レンジエクステンダー版の電池は29.165キロワット時で、急速充電に対応し、15分で30%から80%まで充電可能です。純電動版は75キロワット時の電池で航続650キロを実現し、5分の急速充電で200キロ分の補充が可能です。
車内空間は軸距2775ミリ、後部座席は最大137度リクライニング可能で、小型テーブルや2.26平方メートルのパノラマサンルーフを装備しています。安全面では、車体の72%に高強度熱成形鋼を使用し、バッテリー周囲を強化。さらに、衝撃や熱からバッテリーを守る断熱・防護素材や六つの安全エアバッグなどを標準装備しています。三連衝突試験でも、車体とバッテリーの安全性が確認されました。
さらに、i60は多様な運転・駐車シーンに対応し、音声アシスタントの応答速度は0.28秒です。
広汽埃安は、i60の投入を「番禺行動」と名付けた自社戦略におけるユーザー需要と技術革新の結実と位置付け、二つの動力方式・安全装備・全車標準装備を強みに、10万元(約220万円)級SUV市場で実用性と理想を兼ね備えた選択肢を提供する狙いです。(提供/CRI)











