浙江省杭州市の西湖景勝地は19日午前、12月1日から霊隠飛来峰景勝地(霊隠寺、永福寺、韜光寺を含む)の入場料を無料にすると発表した。

通知によると、入場料が無料になった後、同景勝地を観光する場合はオンラインで事前に実名で予約する必要があり、一日の入場人数が制限される。

人数の上限は平日が3万5000人、土日が5万人、祝祭日が6万5000人で、予約が上限に達し次第、受付を終了する。

霊隠飛来峰景勝地は西湖で最も人気のスポットで、来場者は年間延べ1000万人以上に達する。杭州西湖景勝地管理委員会が公式ウェブサイトで発表しているデータによると、西湖景勝地の主な有料スポットのうち、霊隠飛来峰景勝地の来場者が常に断然トップとなっている。10月のデータを見てみると、同景勝地の来場者は99万600人で、2位の三潭印月景勝地は42万9500人だった。

霊隠飛来峰景勝地の入場料は45元(約990円)。それが無料になると、入場料による収入が影響を受けることは必至だ。公開されている別の情報によると、霊隠寺の2023年の来場者数は延べ1200万人だった。拝観料は30元(約660円)なので、入場料による収入は3億6000万元(約79億2000万円)ということになる。24年の来場者は延べ1100万人余りで、入場料による収入は約3億3000万元(約72億6000万円)になると推測される。

しかし、杭州市では長年、入場料に頼らないというビジネスモデルを採用してきた。早くも02年、同市は高い壁やフェンスを撤去し、西湖の周囲を観光する長さ15キロの景観帯を作り出し、観光客向けに無料で開放した。中国の5A級(最高ランク)景勝地で入場料を無料にしたのは西湖が初めてだった。

無料で開放された後、杭州市を訪問する観光客や観光収入は減るどころか逆に増加し、観光客数は年間延べ3000万人以上をキープしている。

杭州西湖景勝地管理委員会によると、24年に西湖景勝地を訪問した観光客は延べ3700万人以上に達した。同年の杭州市全域の観光収入は3450億3000万元(約7兆5906億円)に上り、1泊以上滞在した外国人観光客は前年同期比107.8%増となった。西湖周辺の飲食店や民泊施設、文化クリエーティブグッズの消費チェーンは既に都市経済の重要な柱となっている。

入場料が無料になった後も、飛来峰景勝地は引き続き「稼ぎ頭」の地位をキープする可能性がある。杭州西湖風景名勝区国有資本投資運営有限公司が発表しているデータによると、8月末の時点で、同社は各種文化クリエーティブグッズを150種類以上打ち出し、西湖関係の文化クリエーティブ分野の売上高は1004万9500元(約2億2109万円)以上に達している。公開されている別の情報によると、杭州の霊隠寺は周辺の民泊施設や茶館、無形文化遺産ワークショップなどが特色ある文化観光クラスターを形成するようけん引し、年売上高は20億元(約440億円)以上に達している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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