中国の黒龍江大学、清華大学およびシンガポール国立大学の共同研究による画期的な成果がこのほど、英国の科学誌「ネイチャー」に掲載されました。この研究はレアアース絶縁性ナノ結晶の高効率エレクトロルミネセンス(高効率電気発光)の実現という世界的な難題の解決に成功し、中国のレアアース資源の「原料輸出」から「高付加価値技術輸出」への戦略的転換の実現を支える重要な中核技術を提供するものです。

レアアースは代替不可能な戦略資源であり、「工業のビタミン」と呼ばれます。中国はレアアース資源の埋蔵量と精錬で強みがありますが、最終的な高機能素材やデバイスの分野では依然として産業上のボトルネックに直面しています。

研究チームはレアアース素材の高付加価値応用を妨げる「光関連反応の低さ」という問題に対して、有機半導体を利用する画期的な戦略を採用しました。すなわち、特別な役割を持つよう処理された有機分子を素材表面に付着させる「機能化有機配位子」を「光と電流の橋渡し役」として用いることで、エネルギーを精密かつ高効率にレアアースの絶縁性ナノ結晶に伝えることに成功し、電流駆動下での高効率発光を実現しました。

この技術により、応用のための巨大な潜在力が出現しました。なぜなら、電気発光デバイスの効率が76倍に向上し、レアアースイオンを調整することにより、単一のデバイスで全スペクトルの発光を実現できるからです。この飛躍により、自律制御可能な超高精細ディスプレイ、近赤外線通信、バイオ医療などの次世代情報技術の発展に新たな素材体系がもたらされました。(提供/CRI)

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