2025年11月28日、中国メディアの環球時報は、高市早苗首相が掲げる経済政策「サナエノミクス」では、日本経済が苦境から脱出するのは難しいとする、上海外国語大学日本文化経済学院の張建華(ジャン・ジエンホア)副教授による評論を掲載した。
張副教授は文章の中で、「サナエノミクス」と呼ばれる高市内閣の経済政策について、金融政策では緩和継続をして利上げには慎重な姿勢を示し、財政政策では17兆7000億円の経済体制を打ち出すなど、追加予算によって積極的に経済を刺激する方針を取ると説明。
そして「金融緩和、財政政策、構造改革」という3本の矢を掲げた安倍晋三元首相の「アベノミクス」を完全に模倣しているという見方を示しつつ、「アベノミクス」が打ち出された2012年ごろのデフレ期とは日本経済の状況が大きく異なると指摘。10月のコアCPI(消費者物価指数)が前年同月比で3.0%上昇するなどインフレが進行する一方で、実質賃金が28か月連続で下落しており、国民の購買力低下と内需の疲弊が顕著になっているとした上で、デフレ対策として打ち出された「アベノミクス」を踏襲すれば物価水準がさらに上昇する危険性が高くなると論じた。
また、「アベノミクス」が円高を是正する目的を持っていたのに対し、現状は急激な円安によって市場の混乱が起きていることにも言及。国債の大量発行による積極財政や、低金利の維持による金融緩和は、国債市場における信用を低下させ、さらなる円安を招きかねないとしている。
張副教授はその上で、株価、円為替、国債という3つの重要経済指標が軒並み下落している事実は、大胆な財政・金融政策をこれ以上実行できる余地がほとんど残されていないことを示すと指摘。高市内閣が目指す、積極的な政策によって供給能力を刺激し、需要過多の状態を作り出すことで経済をけん引するという考え方は「もはや時代遅れ」であり、この政策を続ければ日本経済を苦境から救うことは困難だと結論づけた。(編集・翻訳/川尻)











