2025年12月1日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、高市早苗首相による「台湾有事」関連発言について「結局撤回したのか」と題した記事を掲載した。

記事は、高市首相が11月7日の衆議院予算委員会において、中国による台湾の海上封鎖と、支援に来た米軍への武力行使が発生した場合、日本にとって「存立危機事態」に該当し、限定的な集団的自衛権の行使が可能になる可能性があるとの見解を示したことを紹介。

これに中国が強く反発し、報復措置を打ち出したものの、日本政府は当初外交ルートで答弁を撤回しない姿勢を示したと伝えた。

また、日中関係の急速な悪化を受け、公明党が提出した関連の質問趣意書に対して日本政府が25日に「存立危機事態」の認定基準に関する政府の既往の見解を完全に維持し、いかなる事態が「存立危機事態」となるかは、その時の個別具体的な状況に基づき、政府が総合的に判断するという答弁書を閣議決定したと伝えた。

その上で、首相個人の国会答弁が閣議決定されたものではなく法的拘束力を持たないこともあり、歴代政府の立場を踏襲するという答弁が閣議決定されたことから、「発言の事実上の撤回、修正」が政府としての公式見解になるとの見方を示した。そして、同26日に高市首相と党首討論を行った立憲民主党の野田佳彦代表も、高市首相が具体的な事例に言及しなくなったことから「事実上の撤回と理解する」との見解を示したと紹介した。

記事は、中国が高市首相の発言を「誤った言論」とし、その撤回と謝罪を強く求め続けていると指摘。中国外交部の毛寧(マオ・ニン)報道官が同25日に「日本側は『立場は変わっていない』という概念を繰り返すばかりで、問題の核心に触れようとしない。実際、日本側は誤った言動の撤回要求を意図的に回避し、ごまかそうとしているのだ。これにより、国際社会は日本が本当に反省し、過ちを正す誠意と行動があるのかを疑問視せざるを得ない」と発言するなど、日本側の説明を受け入れない姿勢を見せていることを伝えた。

一方で、高市首相の発言を支持する日本人は多く、日本メディアが同22~23日に実施した世論調査では「支持」が50%で「不支持」の25%を大きく引き離す結果になったと紹介。日本政府が中国の要求に応じて明確に発言を撤回し謝罪することは、国民感情の面からも困難な状況だとの認識を示した。

そして、紛争解決に向けた外交の本質は、両者間で「最大公約数」を見いだすことだと指摘した上で「一方が譲歩を見せれば、一方もその譲歩を受け入れて自らも一定の譲歩を行うべき」だとした。また、意見が食い違う問題については「グレーゾーン」の存在を許容することが「外交の知恵」だとも論じ、長期的なこう着状態による相互損失を避けるために速やかな譲歩を行い、両国関係を「戦略的互恵」に回帰させなければならないと締めくくった。

(編集・翻訳/川尻)

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