2025年11月25日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレは、中国で就航した新たな空母「福建」の設計に致命的な欠陥があるとする、ドイツ紙の報道を紹介した。

記事が紹介したのは、ドイツ紙ディ・ヴェルトによる報道。

同紙は中国海軍にとって3隻目の空母となる「福建」が今月初め就役し、海南省の海軍基地で行われたセレモニーに習近平国家主席が出席したことからも、中国がこの空母をいかに重要視しているかがうかがえると伝えた。

そして、「福建」が全長315メートル、排水量8万トンで、米国を除く世界最大の空母だと説明。米国の最新空母と同様に電磁カタパルトシステム(EMALS)を採用しており、より重く航続距離の長い艦載機を発艦させることができ、中国にとっては南シナ海の「第二列島線」へ相当数の戦闘機を展開可能になる一方、日本やフィリピン、台湾、ベトナムにとっては懸念材料であると解説した。

同紙はその上で、「福建」が抱える「設計士の経験不足による致命的な欠陥」として、巨大な艦体を持つにもかかわらず複数の艦載機を同時に離着陸させることができないと指摘。艦体から斜めにずれた飛行甲板(アングルドデッキ)の設計により、艦載機が離着陸する際に3本ある電磁カタパルトのうち2本を横切ってしまうほか、1本のカタパルトの噴射偏向板が作動すると、着陸した機体が整備エリアへ移動できずに複雑な旋回が必要となり、後続の機体の離着艦を妨げると説明した。

このため、「福建」の艦載機による離着陸量は、米国が保有する同等の空母の約半数にとどまると同紙は指摘している。

記事は、「福建」が持つ「致命的な欠陥」と近代的空母の運用経験不足から、中国海軍は短期的には米海軍に対抗する戦力とはなり得ないと予測する一方で、衛星画像からは中国4隻目の空母が米国の最新鋭空母に匹敵する排水量11万トン超の原子力空母となることが示唆されており、中国の戦力が米国に匹敵するのは時間の問題だとも伝えた。

その上で、「福建」は総じて中国が遠洋で軍事力を誇示できる新時代の始まりを告げるものであり、中国の学習能力と海洋強国への決意を示す警告信号でもあると結論づけている。(編集・翻訳/川尻)

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