中国で開催中の第23回広州国際汽車展覧会(広州モーターショー)では、一部の自動車メーカーは有力な新車だけでなく、人型ロボット事業の新たな成果を展示している。証券日報が伝えた。

長安汽車は自社のロボット製品「小安」を発表した。身長169センチ、体重69キロで、全身は40の自由度を備えている。航続時間は2時間以上。

長安汽車の責任者は、「この人型ロボットは人との交流、武術パフォーマンス、人の作業のサポートを行う機能を備えている。他の機能についても開発・試験中だ」とした。

長安汽車の他にも、小鵬汽車も新世代人型ロボット「IRON」を展示した。広州汽車も第4世代エンボディドAIロボット「GoMateMini」を展示した。

広州モーターショーでのロボットの登場は、自動車メーカーが人型ロボットを重要な戦略的方向としていることの現れだ。一部の自動車メーカーは独自研究、共同研究開発、投資などによりロボット事業に進出している。

セレス(賽力斯)は10月に子会社の重慶鳳凰技術と字節跳動(バイトダンス)傘下の火山引擎(ボルケーノ・エンジン)がエンボディドAI事業協力枠組み協定を締結したと発表した。双方は各自の強みを発揮し、エンボディドAIの共同設計などのエンドツーエンド全業務を展開し、人工知能(AI)応用の新たなエコシステムを築いていく計画だ。また、4月には奇瑞国際公司パークで奇瑞汽車とAiMOGAが共同で研究開発した人型ロボット「墨甲」の第1期(220台)引き渡しが行われた。

自動車メーカーが人型ロボット事業に続々と進出するのはなぜなのだろうか。

深度科技研究院の張孝栄(ジャン・シャオロン)院長は、「これらの自動車メーカーの核心となる優位性は同源の技術を持つ点にある。成熟した自動運転の認知・判断・制御技術をロボットへ横展開できる。また、巨大な自動車部品サプライチェーンとスマート製造の経験により、自動車メーカーはコスト削減と効率アップの確かな基礎を持っている。しかも自社工場は製品導入に最も適したシーンとなる」としている。

長安汽車は投資家リサーチイベントで、提携先と共同で研究開発した人型ロボットがロボットの「脳」「エネルギー」「駆動」などの中核技術でブレークスルーを果たしたと発表した。計画によると、長安汽車は工場、店舗、家庭、特殊応用シーンに基づき、「短期・中期・長期」の3ステップに従い、商業+技術閉ループのインテグレーターとなり、多くのエンボディドAIロボット製品を製造していく。同社は来年より徐々にプロトタイプを発表し、更新を続ける予定だ。

IDCの予測によると、世界のロボット市場規模は2029年に4000億ドルを突破する。エンボディドAIロボットは重要な形態となり、市場シェアが30%を超え、ロボットを汎用化および自律化の高い段階に導いていくことになる。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

編集部おすすめ