台湾メディアの中時新聞網は4日、日本ではクマによる被害が深刻化しているが、台湾ではサルが「国家級リスク」になっているとする記事を掲載した。
記事はまず、日本の今年のクマによる死傷者数が過去最多を上回るペースとなっていることに触れた上で、台湾には熊害(ゆうがい)はないものの、人と生息地が重なるタイワンザルによる被害が深刻化していると伝えた。
記事によると、3日の立法院経済委員会で、複数の立法委員が農業部に早急な対策を示すよう求めた。農業部は、地域の状況に応じた積極策を3カ月以内に完全な形で示すと約束した。
かつてタイワンザルといえば、山岳地帯で「偶然遭遇する」程度と考えられていた。しかし、時代の変化とともに、山岳地帯の住民がタイワンザルの被害に悩まされるだけでなく、都市部に隣接した地域の住民も路上で頻繁に遭遇するようになっている。陳駿季(チェン・ジュンジー)農業部長も「適切な対策を講じなければ、5年以内にタイワンザルが市街地に侵入することになる」と警告した。
高雄市にある中山大学は、キャンパス内に出没するタイワンザルに食べ物を奪われる学生が相次いだことを受け、被害に遭った学生への補償金支給を実施した。
台北市に隣接する新北市板橋区でも、住宅街を闊歩(かっぽ)し、鉄格子やエアコンの室外機、排気管の間を巧みに飛び跳ねるサルの姿が目撃された。住宅内に侵入した事例も発生している。新北市新店区在住の女性タレント、ユアン・アイフェイ(袁艾菲)さんはこのほど、サルが網戸を開けて家に侵入する動画をSNS上に投稿し、多くの人を驚かせた。(翻訳・編集/柳川)











