2025年11月16日、独メディアのドイチェ・ヴェレ(中国語版)は、米中関係の悪化に伴い、中国市場のリスク対策と中国ブランドとの激しい市場競争に直面している米国企業の現状について分析した。
記事は初めに、米国企業のブランドが中国の投資会社と合弁した最近の事例について紹介した。
市場調査会社のユーロモニター・インターナショナルによると、スターバックスは19~24年の過去5年で中国市場のシェアを34%から14%にまで落とした。同時期にバーガーキングの親会社である外食大手のレストラン・ブランズ・インターナショナル(RBI)も北京の投資会社・CPE源峰と合弁会社を設立した。持ち株比率はRBIが約17%、CPE源峰が83%。今後5年で中国のバーガーキング店舗数を現在の約1250店から約2500店に倍増させ、35年までに少なくとも4000店に拡大する計画だという。これらの動きは中国市場での競争への対策だ」と指摘した。
記事は2人の専門家を取材した。1人目の欧州経営大学院インシアードのリン・チェンイー教授は、外国ブランドが中国市場での勢いを失っている点について、「中国市場で勝つためには敏捷性と適応性が求められる。中国ブランドが新製品を出すスピードは速くなっており、定価販売で競争力も備えている。さらにWeChat(微信)やアリペイ(支付宝)とのデジタルプラットフォームとの『隙間ない融合』も実現した。コーヒーチェーン5万軒、ミルクティー店45万軒という数字を見ただけでも、中国市場の競争の激しさが分かる。
2人目の中央テレビ市場研究(CTR)のジェイソン・ユー代表は、「以前は中国ブランドが外国ブランドをまねすることが多かったが、今は分野によっては逆の状況も発生している。コーヒーでいえば、中国のチェーン店は数週間で新商品を出せるが、スターバックスは(新商品販売の許可を得るために)本社へお伺いを立てるのに数カ月かかる。中国ブランドの勢いが大きくなるにつれて、西側諸国のブランドの勢いは削がれ、合弁会社の設立を選んでいる点を見ても明らかだ。スターバックスやバーガーキングが市場からの撤退ではなく合弁を選んだのは、現地の市場知識と人脈、リソースを持つことで中国市場により入りやすくするためのリスクヘッジだ」と述べた上で、「以前の合弁方式は独立経営を志向する外国企業にとっては法的に規定されたやむを得ない選択だったが、今の合弁方式は戦略的な需要によるもので以前とは全然違う。中国市場では新商品を出すまでの決断スピードやデジタルプラットフォームとの全面的融合など敏捷性を最も重んじる。協力者がいなければ、米国ブランドはこのリズムについていけないだろう。米国企業にとって最大のリスクは市場競争ではなく、中国市場からの完全撤退だ。撤退とはリスクヘッジではなく、長期的な成長の放棄を意味する」と述べた。(翻訳・編集/原邦之)











