中国メディアの観察者は6日、香港政府が政府関連施設でのイベントで予定されていた「かもめ食堂」「タンポポ」「あん」の日本の映画作品3本の上映を取り消したと伝えた。

香港特別行政区政府でスポーツや文化、芸術関連を担当する部門である康文署は5日、映画祭の「心間盛筵-人間煙火映百味(心の宴-人間の暮らしに映る百の味)」で、一部作品の上映を取り消すと発表し、「迷惑をおかけするが、どうかご理解いただきたい」とつけ加えた。

「心の宴-人間の暮らしに映る百の味」は飲食を題材とする映画作品十数本を上映する趣向で、開催期間は2025年12月6日から26年1月18日までだ。

6日の香港映画資料館映画館での「かもめ食堂」の上映、28日および26年1月3日のK11 Art House(K11アートハウス)での「かもめ食堂」の上映,

1月11日の「タンポポ」(4K修復版)の上映、1月18日の東九文化センターでの「あん」の上映が取り消された。6日の「かもめ食堂」の上映については、上映後の座談会も取り消された。

香港で政府関連イベントでの日本映画3本の上映が取り消し―中国メディア
香港映画資料館

中国では日本関連の芸能活動の変更が次々に発表された。中国最大級の音楽配信サービスを運営するQQ音楽は、広州で開催が予定されていたボーイズグループのJO1(ジェイオーワン)のファンイベントの取り消しを発表し、吉本興業が11月下旬に開催された上海国際コメディフェスティバルで予定していた「よしもとコメディスペシャル」の4公演も取り消された。浜崎あゆみ、高汐巴、鈴木良雄、中本麻里、KOKIA(コキア)などの中国での公演も相次いで取り消しまたは延期になった。

1月17日には中国で12月に予定されていた「クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ」や「はたらく細胞」などの日本映画の公開が見合わせになったと発表された。関連する輸入業者や配給業者はいずれも、日本側の挑発的な発言が中国の観客の日本映画に対する見方に必ず影響すると説明し、「関係方面は市場の規律に従い、観客の意向を尊重し、上映を一時見合わせると決定した」と表明した。

中国外交部の毛寧報道官は11月25日の定例記者会見で、「最近は中日間の交流協力が影響を受けている」と述べ、その原因については「日本の高市早苗首相の台湾に関する誤った言論が中国人の感情を深く傷つけ、中日交流の雰囲気を悪化させたことにあると」と主張した。毛報道官は、「日本側は誤った言動を直ちに是正し、対中問題でいざこざを作り出すことをやめるべき」と述べた。(翻訳・編集/如月隼人)

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