台湾メディアの民視新聞網は6日、台湾の経済成長率予想の政府予想の大幅上方修正と、スイスの大手金融機関のUBSによる世界の富豪の2025年版調査リポートによれば、資産が10億ドル(約1550億円)以上の人の数は、台湾の方が日本よりも多く、差が広がっていることを紹介する記事を発表した。

台湾政府で国家予算の編成や会計および財政業務、統計業務を所管する主計総処は11月末に25年の台湾の経済成長率を、8月中旬の予測値だった4.45%から2.92ポイント引き上げて7.37%に上方修正した。

実現すれば、過去15年で最大の成長率になる。26年の経済成長率についても8月中旬に示した2.81%の予想から0.73ポイント引き上げて3.54%とした。

台湾は08年から16年までの、中国との協調路線を取った馬英九政権時に、経済面では中国大陸との密接な関係構築で恩恵を得た。16年に中国との対決色が強い民進党政権が発足すると、農業や観光などの一部産業が打撃を受けたが、電子部品や情報通信機器は好調だった。特に現状では人工知能(AI)関連の需要が予想を上回り、関連品の輸出を大幅に押し上げているという。

UBSが12月初旬に発表した世界の富豪についての調査結果を示す「ビリオネア・アンビションズ・レポート2025」は、4月4日時点における世界の国と地域別の資産額が10億ドル以上の人の数を紹介した。第1位は米国人で924人、第2位は中国人で470人だった。台湾人は昨年より4人増加して51人に達し、アジア太平洋地域ではオーストラリアの43人、日本の41人、韓国の31人を上回った。世界の他の地域との比較でも、台湾の「10億ドル富豪」の人数はフランスの46人、スペインの32人、カナダの47人、スウェーデンの31人を上回った。

台湾の「10億ドル富豪」の資産合計総額は、前年比で263億ドル(約4兆800億円)増え、19.2%増の1636億ドル(約25兆4000億円)に達した。この増加率は日本や韓国を上回った。アジア太平洋地域で増加率が最も大きかったのはシンガポールの66.4%で、第2位は中国の22.2%だった。

台湾は第3位だった。

また、台湾の「10億ドル富豪」の51人のうち69%は、自らの代で財を築いた人で、これらの「大富豪」は必ずしも前の世代の従来型産業や製造業を継承した人ではない。財の源泉はハイテクや金融など新しい経済分野に及んでおり、台湾の「億万富豪」の構成は世代交代に伴い変化していることがうかがえる。(翻訳・編集/如月隼人)

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