独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の技術発展と「寝そべり」という対照的なテーマにそれぞれ焦点を当てたドイツメディアの報道を紹介した。
記事はまず、欧州連合(EU)駐中商工会議所のヨルク・ヴトケ元会長がドイツ誌フォークスに寄稿した評論を紹介。
また、中国は主に世界のサプライチェーンで非常に重要な中間製品での優位性確保に精力を注いでおり、特にレアアース加工分野ではすでに事実上の独占状態を確立したと指摘。化学工業の前駆体製品やバッテリー、自動車部品などでも西側による対中依存が大きくなっており、中国政府の政治的圧力の切り札になっていると評した。
その上で、中国の強さの理由について、資金の潤沢さと、長期戦略に基づく計画の2点を挙げ、計画に基づき育成されるハイレベルなエンジニアの数が他国を圧倒していると指摘した。
ヴトケ氏は、中国が技術力の向上に伴って外国からの輸入を減らす一方、過剰生産商品を国際市場に転嫁しようとしていることを「欧州にとってはバッドニュース」とし、EUは今後貿易保護主義的な措置で自国市場を守るとともに、統一的な欧州体外経済政策を策定して積極的に「打って出る」べきだと論じている。
記事が次に紹介したのは、「寝そべり族」と「鼠人(ネズミ人間)」をキーワードに中国の現状を紹介するドイツ紙ハンデルスブラットの評論だ。
同紙は「鼠人」について「ベッドで寝て、読書し、タブレットで動画を視聴し、インスタントラーメンを食べて早く寝るような、ほとんど何もしない若者」を指す言葉と紹介した上で、かねてより社会現象となっていた「寝そべり運動」の流れをくむものだと紹介。勤勉な「奮闘者」というかつての中国のイメージが、「消極的で怠惰な象徴」へと変化しつつあると指摘した。
そして「鼠人」は「私たちは何のために忙しく働いているのか」という誰もが聞けない疑問を投げ掛ける「非常にかわいらしい抗議の方法」だと分析。「中国はまたわれわれに教訓を与えてくれた。中国の若者は確かにはるか先を行っている。われわれの若者も見習うべきなのかもしれない」という含みをもたせた言葉で結んでいる。











