2025年12月10日、中国メディアの環球時報は、中国料理の「小籠包(ショウロンポー)」が世界を席巻しているとする、スペインメディアの報道を紹介した。

記事が紹介したのは、スペインメディア「エル・ディアリオ」の8日付文章。

文章は、一度小籠包を食べれば、この「小さな肉まん」がどうして中国グルメの代名詞になれたのかが分かるだろうとし、薄い皮に肉餡を少し包んで蒸せばできるという一見シンプルに思える見た目と、中からあふれ出すうま味たっぷりの熱々スープには、中国の飲食文化における技術、伝統、忍耐といった要素が「完璧なバランス」で詰め込まれていると説明した。

そして、小籠包が19世紀の中国江南地域で誕生したと紹介し、当時の商業エリアで新しいタイプの蒸し肉まんが作られ始めた際に、肉餡の中にスープの煮凝りを練り込ませるという手法が開発され、蒸すことで煮凝りが溶けて熱々スープになるという現在の小籠包が誕生したことを解説。「スープを内蔵した肉まんの誕生は、飲食の革命に匹敵する」と表現している。

また、この画期的なアイデアが専門的な研究室からではなく、民間の厨房で生まれたことを指摘。当時の人々が求めていたのは、手軽に食べられて、満腹感があり、おいしい食べ物であり、そのニーズから小籠包が誕生し、瞬く間に歴史に刻まれることになったと伝えた。

中国グルメの代名詞、小籠包が世界を席巻―スペインメディア
小籠包

その上で、屋台や食堂が競うように小籠包を作るようになったことでその文化が発達し、江蘇省蘇州市では甘い味付けが好まれ、上海市ではややしょっぱく、秋には旬を迎える蟹肉が餡に用いられる、南京市では小さく透明なスタイルが主流といった地域的な差が生まれ、小籠包は中国南部の文化的シンボルに成長していったと紹介した。

文章は、小籠包は世界で最も有名な中国グルメの一つであり、今やニューヨークやロンドン、メルボルンなどのレストランでも提供されるようになったとし、「どのレストランも『一口目にスープが口の中にあふれる極致』という共通の目標を目指している」と評した。(編集・翻訳/川尻)

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